#1026
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「仲間にキレるし、相手や審判に怒ってるし…」長谷部誠が“心を整える”以前はどんな選手だった?《浦和レッズ・山田暢久、田中達也、永井雄一郎の赤裸々証言》

2024/05/13
浦和レッズでレギュラーに定着した20代前半のポートレイト
端正なマスクに爽やかな笑顔。陰の努力を惜しまず、仲間を思いやり、熱き魂でチームを鼓舞する。絵に描いたようなキャプテン像は、果たしてホンモノなのか? あのベストセラーを手掛かりに、手加減ナシの先輩たちの証言で辿る“ブレーク前夜”。あの頃から、心は本当に整っていた?(初出:Number1026号[レッズ先輩の赤裸々トーク] 長谷部誠が“心を整える”まで。)

 4月上旬のある朝、ドアフォンがなった。

 モニターのスイッチをオンにすると、画面の中にはいつもの宅配便のお兄さんが立っていた。なんかネットで頼んでたっけ?

 玄関に腰を下ろし小さな封筒を開けると、一冊の本が出てきた。

『心を整える。』長谷部誠。

 思い出した。1週間ほど前、浦和レッズ時代の彼についてなんか書いてくれ、編集部からそんな連絡があって、とりあえずこの本を頼んだのだった。

 青い表紙に27歳の長谷部誠の写真が載っている。当時はドイツに渡って4年目。ヴォルフスブルクでブンデスリーガ優勝を果たした2人目の日本人となり、日本代表キャプテンとしてアジアカップも制したばかりだった。ルックスがよく、チャラチャラしていないハセ様は、特に女性にむちゃくちゃ人気があった。

 本は発売直後から売れに売れ、瞬く間に100万部を超えた。奥付けを見ると、初版は2011年3月20日、つまり大震災の9日後だ。長谷部は印税を全額被災地への寄付に回すと発表し、さらに男前を上げた。

 副題は「勝利をたぐり寄せるための56の習慣」。

〈3 整理整頓は心の掃除に通じる〉

〈4 過度な自意識は必要ない〉

〈5 マイナス発言は自分を後退させる〉

 ほんまそうやな、確かにそうやな!

 改めて読むと、中学校の国語の教科書に載せたいくらい良い本である。

高校3年間、一度も女子と話していなかった?

 223ページある本の半分くらいを一気に読み終え、僕はミヤさんに電話をかけた。宮崎義正、いま三菱重工浦和レッズレディースの部長を務める彼は、スカウトとして長谷部を浦和に連れてきた人物である。

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photograph by Atsushi Kondo

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