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2009年の年明け、第2回のWBCが迫っていた。第1回WBCでMVPを獲得したライオンズの松坂大輔は、直近の2年、レッドソックスで33勝を挙げていた。第1回と同様、日本代表の野手を引っ張ろうと考えていたイチローは、ピッチャーを引っ張るのは松坂しかいないと考えていた。
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イチローさんの立場は前回と変わっていなかったと思いますが、僕は1回目と2回目では自分の置かれている立場が明確に違うという雰囲気は感じていました。1回目のときはピッチャー陣で唯一のメジャーリーガーだった大塚(晶則)さんがまとめ役の存在になってくれましたが、2回目はピッチャーの中でメジャーリーガーは僕だけです。僕よりも上の人が日本代表から抜けて、今まで上の人にやってもらっていた役割を今度は自分が担っていかなきゃいけないと思っていましたから、そのポジションに自然と僕が入る感じになりました。
もちろん、その分の責任も負わなくちゃいけないし、そういうことをイチローさんに期待されてるというのは、なんとなく感じていました。実際にイチローさんとはWBCの宮崎合宿が始まる前に食事をして、「ピッチャーは大輔が引っ張らなきゃいけないぞ」と言われていました。イチローさんだけではなく、宮本慎也さんからも同じことを言われていたんです。宮本さんは2009年は日本代表のメンバーにはいなかったんですが、「お前がまとめないとピッチャー陣が機能しない」「そのためにはお前がしっかりしないと……だから頼むぞ」という言葉をもらいました。宮本さん、イチローさんにそう言われて、でも正直なところ、チームのメンバーが集まったときにピッチャー陣がどういう雰囲気になるのか、まったくイメージできませんでした。
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