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「Bリーグで一番嫌だなって思うのは練習中の…」横浜ビー・コルセアーズが河村勇輝にもたらした「必然の覚醒」《証言:青木勇人、森井健太》
2025/03/09

Bリーグ開幕以来、残留プレーオフに3度も出場する屈辱を味わってきたチームに変革をもたらしたのは、一躍トッププレーヤーへと上り詰めた若き司令塔だった。苦楽を共にしたHCと同僚が戦いの日々を振り返る。(原題:[急成長の軌跡]横浜ビー・コルセアーズ「必然の覚醒」)
見ているこちらの心の準備が整う間を与えないほどの速度で、河村勇輝がアメリカで存在感を増してきている。その姿に驚きを覚えないわけにはいかない。
もっとも、彼と濃密な時間を過ごしてきた者の受け止めはやや異なる。彼を知るからこそ「あいつなら」という思いが先行する。
「予測できたかって言われたら、できなかったですけど」
横浜ビー・コルセアーズのポイントガード、森井健太は昨シーズンまでチームメートとして苦楽を分かち合っていた河村の、海の向こうでの活躍ぶりについて問われると、そう語った。
横浜BC時代の河村は2022-'23シーズン、万年下位に沈んでいたチームをファイナル進出手前まで牽引し、日本代表としても周りの期待を上回る躍動を見せていた。予測はできなかったが、でもあいつなら……。森井にはそんな思いがあった。
「パリオリンピックでフランスを相手にあんな接戦ができるとか、日本が自力でオリンピック出場を決めるなどと思っていた人は、5年前にはほとんどいなかったでしょうし、そういう意味では不可能を可能にする選手じゃないかなと思います」

河村の才能を十全に発揮させるために「整えた」ものとは?
昨シーズンまで横浜BCでヘッドコーチを務めた青木勇人(現群馬クレインサンダーズアシスタントコーチ)は、「驚きはなかったです」とより明快に反応した。
いずれにせよ、青木と森井は河村のアメリカでの活躍に大きく驚いてはいない。2人は、横浜BC在籍時に河村が描いた「成長曲線」を間近で見ていた「証人」だからだ。

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photograph by Itaru Chiba
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