ドジャースひと筋メジャー17年目、36歳になった絶対エースは故障のため出遅れている。それでもシーズン終盤になれば、その存在が必要になるとかつての同僚は断言する。同じ年にデビューし、いつも一緒に練習していた頃に感じた左腕の凄みを振り返る。(原題:[義理堅きエースとの絆]黒田博樹が語るカーショウ)
――黒田さんとカーショウはいずれも2008年、ドジャースでメジャー1年目を迎えたんですよね。
黒田 僕は33歳でアメリカに行って、カーショウは20歳でメジャーに昇格したばかりでした。スプリングトレーニングの間は僕が先発すれば、カーショウが試合途中から投げるというセットで登板する機会が多かったんです。そのシーズンからジョー・トーリ監督に代わったところで、ふたりの力を見ながら先発ローテーションを決めようと考えてたんじゃないかと思います。
――実際にはふたりとも開幕ローテーションに入ります。
黒田 新人ふたり、メジャーに残れたので、いつの間にかキャッチボールをするようになり、それから4年間一緒に投げてました。
若くして活躍も、失わなかった危機感と貪欲さ。
――カーショウはドジャースひと筋でメジャー17シーズン目を迎えていますが、彼が成功した理由はどこにあると思いますか。
黒田 若い時から向上心があり、先進的なことにチャレンジしていく精神を持っていたのは大きいと思いますね。1年目は5勝、一緒にプレーした最後の'11年には21勝を挙げて最多勝投手となって、若くしてドジャースのエースと見られるようになった。そうなると、自分の能力を過大評価してもおかしくないわけです。
――いわゆる「勘違い」をしてもおかしくはない。
黒田 カーショウにはいつも危機感があって、それと同時に好奇心や、貪欲さがあったと思います。デビュー当時は、100マイルに近いフォーシームを中心にして、落差のあるカーブを織り交ぜて相手を押し込んでいくスタイルだったんですが、球種を増やしていくのに貪欲でした。
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