
いつもは謙虚な言葉を選ぶドジャース山本由伸が、珍しく自画自賛した。2月20日。メジャー全球団の先陣を切って、オープン戦の「開幕投手」となった山本は、スッキリした表情で、今季初登板を振り返った。1回3分の2を投げ、詰まった3安打を浴びつつも、無失点2奪三振。残った数字以上に、エンジンは温まっていた。
「たまたまフォームがまとまるのが早いというか。まだ全然仕上がってはいないですけど、調子が良いってことですね」
キャンプイン直後、デーブ・ロバーツ監督は、3月18日に日本で行われる開幕戦の先発投手に山本を指名した。1年目の昨季は、右肩痛で途中離脱し、7勝止まりだったものの、ポストシーズンでは快投を演じ、世界一の立役者となった。日本人の母を持つロバーツ監督にすれば、「投手大谷」が間に合わない中、日本開催とあれば、山本以外の選択肢はなかった。公式戦だけでなく、キャンプ中のライブBP、オープン戦ともすべて山本が1番手。「由伸はとても気分よく過ごしているし、昨年よりもかなり早く仕上がっている」と、確かな信頼感を隠そうとしない。

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