初めて買った靴や、レースを共に戦ったシューズなど、ランナーには思い出が詰まったランニングシューズが必ずある。そこで3人のランナーがシューズと共に、自身の競技人生を振り返る。発売中のNumberDo 2024より「靴の履歴書・鎧坂哲哉」を特別にNumberPREMIERへ転載します。
新シューズを武器に次の舞台へ。
小学生のときは短距離も長距離もめちゃくちゃ遅かったんです。だけど友達に「1人は嫌だから、一緒に入ろう」と頼まれて、中学で陸上部に入りました。もともと陸上部に入る予定もなかったので、どの種目をやりたいということもなくて、でもやるなら短距離かなぁと思っていました。そうしたら、夏前にその友人が一緒に大会に出ようとまた誘うわけです。僕は出たくなかったんだけど、仕方なく1500mに出たら、そこから長距離に決まってしまって(笑)。
当時は陸上部に入った1年生は学校指定のシューズを買うことになっていました。確かアシックスだったと思うのですが、ソールもめちゃくちゃ分厚くて、運動靴に近いデザイン。最初のレースはこれで出たと思います。
ただ、長距離に決まってしまったし、先輩たちがレースシューズを履いていたということもあって、やっぱり専用のシューズの方がいいのかなと、1年の夏にアシックスのターサーを買いました。まだ選び方も分からないレベルだったので、周りがターサーだし、この靴なら大丈夫だろうという感じ。ただ、安売りをしている靴があれば、それを買ったりもしていました。
靴を履き分けることを知ったのは高校に入ってから。ロード用のソールが薄いシューズがあるんだと知って、アシックスのソーティジャパンやソーティマジックを好んで履いていました。アウトソールに粒々があって、接地したときに、路面にちゃんと引っかかってくれるというか、グリップ力がすごく僕の走りに合っていたんです。
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photograph by JIJI PRESS