アリゾナの太陽が昇る前、まだ辺りが暗いうちに、ドミニカ共和国代表の選手たちの携帯電話にメッセージが届く。
「おはよう。今日もがんばろう!」
「明日、オープン戦で対戦するね。会うのが楽しみ」
「代表キャンプまでもう少しだね」
「マニーの打撃動画を見たよ。兄貴、豪快でかっこいいね」
まるで付き合いたてのカップルのようなこまめさで、せっせとテキストを送り続けているのはダイヤモンドバックスのヘラルド・ペルドモだ。
多い日には20通以上。グループチャットは朝から通知で埋まる。
「毎日、本当に大量のメッセージが届くんだ。文章がなくて、アニメの動画や絵文字だけのときもあるよ」
代表選手たちは笑いながら口を揃える。
もともとグループチャットは、主将マニー・マチャドが選手間のコミュニケーションを深める目的で作成したものだった。しかし当初は、集合時間や日程確認など、事務的な連絡が中心で、「これでは大会までに本当の意味で打ち解けられない」と感じたペルドモが率先してメッセージを送り始めた。
「彼らは自分たちがスーパースターだと分かっている。だからこそ、僕みたいにエネルギーにあふれた存在が必要なんだ」と、ペルドモは自ら『ムードメーカー』役を買って出ていることを明かしてくれた。

最初は既読がつくだけで、反応はほとんどなかった。それでもペルドモはめげずにメッセージを送り続けた。
見かねたマチャドの「かわいそうだろ、ちゃんと返信しようぜ」という鶴の一声が効いたのか、あるいはペルドモの熱量が伝わったのか、ぽつりぽつりと返信する選手が増え始め、いまでは冗談や動画が飛び交い、陽気なやり取りの輪が広がっている。
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