NumberPREMIERでは、再び箱根駅伝常連校への道を歩み出した日本大学を徹底解剖。新雅弘監督のインタビューも公開している。
「シード争いに絡んでも、獲るところまではいかないかなというのが正直な思いでした。他校の戦力を考えると、上に10校はいるなと予想していましたので」
第102回箱根駅伝。日本大学は熾烈な争いを制し、シード権を獲得した。出場92回、優勝12回はともに中央大、早稲田大に次ぐ3位を誇る「名門」でありながら、97回から99回まで3年連続で本戦出場を逃すなど、苦しい時期が続いた。シード権獲得は、実に12年ぶり——低迷期を抜ける復活の兆しだった。
武者由幸コーチはこの駅伝を振り返り、淡々と正直な思いを口にした。新雅弘監督が就任し、箱根路に戻ったのが2023年度。積み重ねてきた基盤が、形になりつつある。
「学生が監督を信頼してついていけるのが一番大きいんじゃないかなと思います。3年間見ていると、“当たり前のことを当たり前にやろう”というのが徹底されている。挨拶や寮生活でもスリッパを並べるとか、体操ひとつにしても最初はバラバラだったのを指導してきました。
それを素直に受け入れられる学生だから、練習も素直にできる。“この人についていけば絶対強くなる”というマインドが学生の中でスタンダードになっているんです。僕だったら、こんなきつい練習してたらもうやめようかなって思うくらい(笑)。年間を通して同じことの繰り返しなんですけど、それをしっかりやりきる、やらせる、これがすごいところですね」
練習面ではポイントの強度は上げずに、ジョグを中心に距離を踏んだ。練習を継続させ土台を作ることで、故障者は減り、Aチームの夏合宿は離脱者がゼロになった。
一方で、全体ミーティングはほぼしないという。箱根駅伝の直前ですらだ。新監督は寮に住み込み、学生の普段の過ごし方を日々見ることで、必要な言葉だけを朝の練習前などに伝えているそうだ。
「新監督は一言で言うと、誰も真似できないすごい人。すごい人ですよ」
武者自身、監督を経験したからこそその“すごさ”がわかる。現役引退後、指導者としての道を歩み始めた武者は、2012年にコーチとして母校日大に戻ってきた。2016年4月には32歳の若さで監督に就任したが、結果を残せないまま、2020年6月に解任を言い渡された。動画では、解任当時のこと、さらにはコーチとして“再登板”するに至った経緯なども赤裸々に語っている。

武者は現在チームの指導のほか、スカウトを担当している。5000m13分台を持つ有力なランナーは箱根で上位争いをするような大学に進学するケースが多い。「去年は箱根20位のチームですから、勧誘に行っても他大学に行かれる傾向があります」と苦笑する。
「それでも新監督は、『武者、陸上が好き、走るのが好きな選手を連れてきてくれれば、どんな選手でも俺は絶対に強くできる』と言ってくれる。だから僕も、高校生に『走るのが好きだったら、うちに来たら100%強くさせるし、強くなる』って言える。新監督だったらシードだけじゃなくもっと上を目指せるので、高校生には『君たちが入学して3年後、4年後には優勝を目指そう』と話しています」
チームが変わって、結果が出る。それによって、高校生からも選ばれる大学になりつつある。そんな好循環を武者自身も感じているという。そして、武者自身が学生時代の「心残り」から抱く思いとはーー。
山対策「実は1月からもう始めています」
動画インタビューでは、このほか以下のことにも触れている。
- 箱根駅伝の山対策「実は1月からもう始めています」
- 「走るのが好きな選手なら強くできる」新監督の指導への自信
- 故障者が減った理由「夏合宿はトレーナー2名体制で…」
- 10区アンカー対決を制した大仲竜平は「実は全日本後に故障を…」
- スカウトの苦労と“決めゼリフ”とは?
- “不祥事”を経ての日本大学の変化
- 学生時代に届かなかった箱根駅伝優勝への強い想い
- ミーティングはしない——新監督の伝え方
日大はなぜ強くなったのかーーシンプルで難しい問いへの答えが、武者コーチ自身の言葉で語られるインタビュー。コーチという立場だからこそ語れる“復活へのヒント”を、ぜひお聴きいただきたい。(1月26日取材)
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