W杯出場を決めた代表に残された時間は多くない。
コンフェデに挑むザックジャパンは、この舞台で何を得て、
来るべき本番にどう繋げるべきなのか。ラスト1年のプロセスを
もっとも良く知る男に、“コンフェデ活用術”を聞いた。
コンフェデに挑むザックジャパンは、この舞台で何を得て、
来るべき本番にどう繋げるべきなのか。ラスト1年のプロセスを
もっとも良く知る男に、“コンフェデ活用術”を聞いた。
コンフェデで何を掴み、W杯にどうつなげるか――。決してレベルが高くないアジアにいる日本代表にとって、最も重要なテーマのひとつだ。
その“ラスト1年”のプロセスにおいて、元日本代表キャプテンの宮本恒靖は、歓喜と悔しさの両方を味わって来た人物である。
現在、宮本はFIFA大学院の授業のため、スイスに滞在している。首都ベルンの目抜き通りのカフェの席に着くと、選手時代と変わらぬ引き締まった表情でゆっくりと語り始めた。
「コンフェデは特殊な大会ですよね。タイトルがかかっているから真剣味はある。けれどW杯予選ほど『負けちゃいけない』というプレッシャーはない。だからレベルの高さを楽しみながら、チャレンジできる。チームの立ち位置、そして個人の立ち位置がはっきりと見えてくる大会です」
“アジアボケ”していたチームが衝撃を受けた'05年のメキシコ戦。
【論点1】アジアと世界の差をどう克服するか。
宮本恒靖 Tsuneyasu Miyamoto
1977年2月7日、大阪府生まれ。'95年にガンバ大阪入団。'02年W杯ではベスト16進出に貢献。'06年W杯では主将としてチームを支えた。'07年オーストリアのレッドブル・ザルツブルクへ。'11年の現役引退後は、解説者として活躍する傍ら、昨年9月からFIFAマスターに在学している。
1977年2月7日、大阪府生まれ。'95年にガンバ大阪入団。'02年W杯ではベスト16進出に貢献。'06年W杯では主将としてチームを支えた。'07年オーストリアのレッドブル・ザルツブルクへ。'11年の現役引退後は、解説者として活躍する傍ら、昨年9月からFIFAマスターに在学している。
W杯アジア予選と、各大陸の王者が集う大会では当然レベルが異なる。W杯モードに切り替えるうえで、コンフェデは絶好の舞台だ。
宮本は日本代表のキャプテンとして、2005年にドイツで開催されたコンフェデに出場した。メキシコ、ギリシャ、ブラジルと同組。W杯予選でバーレーンや北朝鮮と戦っていた日本にとっては、どこも格上である。
「レベルのギャップが大きかったですね」
少しずつ宮本は記憶を呼び起こした。
「初戦のメキシコ戦で覚えているのは、自分たちが守備でプレッシャーをかけようと思っても、かけ切れなかったこと。相手のボール回しがうまかったからです」
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photograph by Takuya Sugiyama