3勝3敗で迎えた第7戦は、阪神がシリーズ初登板の青柳、オリックスは第2戦で好投の宮城が先発。阪神は4回にノイジーの3ランで先制すると、5回にも森下、大山、ノイジーの3連打で突き放す。9回、岩崎が最後の打者を打ち取り、38年ぶりの日本一を達成した。
勝利への執念と「研究」が生んだ38年ぶりの歓喜。
終わってみれば大差の展開となった第7戦。しかし、試合の流れを紐解いていくと、勝負の分かれ目になったのはほんのわずかなポイントだったように感じます。
阪神が3点リードで迎えた5回の攻撃。1死一、二塁の場面で、中野のショートゴロが一度は「6-4-3」の併殺打とジャッジされました。オリックス先発の宮城は大きなピンチを脱した場面でしたが、阪神・岡田監督のリクエストによって判定が覆り、併殺崩れで一塁にランナーが残る形となりました。
これを受け、オリックスの中嶋監督は、宮城から比嘉に投手交代します。2死一、三塁の場面で登板した変則右腕は、森下に真ん中に入ったフォークをレフト前に運ばれて失点。さらに大山の内野安打、ノイジーのセンター前がいずれもタイムリーとなり、一気に3点を失ってしまいました。
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photograph by Hideki Sugiyama