不動の1番打者として、選手会長として猛虎を牽引した。第7戦でも4安打を放つなど、合計14安打はシリーズ歴代3位の快記録。打率.483、8得点と大暴れした。日本一のリードオフマンとなった29歳が喜びを語った。
――最後は日本一が決まるフライが左中間に飛んできました。捕りたかったですか。
「一瞬、捕ろうかなと思ったんです。レフトのボールやったのに、パッと見た時、シェル(シェルドン・ノイジー)があんまり捕る気配がなくて『どっち!?』と思って。最終的にシェルが捕りましたが、どっちが捕ろうが気にしていません。ウイニングボールとかはそんなに気にしないんです(笑)」
――ゆっくり走ってマウンドにできている歓喜の輪に入っていましたね。
「僕はレフトにひとり、残されていましたから。“遠いな……。俺が行ったときにはもう終わっているだろうな”と思っていました(笑)。でも、僕が一番ファンの歓声を長く聞いていたと思います」
――MVPの場内インタビューでは最初に「すいません、糸原さん」と謝っていました。何があったのでしょうか。
「MVP発表のアナウンスがなかなかなくて、めっちゃ間があったんです。『誰や、誰や』って待ってるうちに、糸原さんが『え? 俺? 俺?』みたいになっていたんで、すいませんって(笑)」
最初からどんどん打ちにいって、猛打賞3試合。
――29打数14安打の打率.483で猛打賞は3試合。本当によく打ちました。
「短期決戦なので、向こうもどんどんストライクを投げてきて、いいボールが来ます。だから僕も球を待つというより、最初からどんどん打ちにいくのが感覚的に良かった。最初から打ちにいった結果ですね」
――シーズン中は自己最多の67四球を選び、じっくり球を見極める姿が印象的でした。どっちが本来の姿なのでしょう。
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photograph by Naoya Sanuki