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<ドラマ監督と“浜畑譲”の対談>廣瀬俊朗と福澤克雄が明かす「ラグビー熱」の舞台裏【香川照之「スポーツ選手は芝居が…」】
2019年、ラグビーW杯の空前の盛り上がりに大きく貢献したひとつの要素が、W杯前の7月から放送されたドラマ『ノーサイド・ゲーム』だ。感動を呼んだ最終回は開幕戦直前の9月15日に放送。ドラマを通じて世の中に浸透した「ジャッカル」や「オフロードパス」、「ドロップゴール」などラグビー専門用語はそのままラグビー熱としてW杯へ乗り移った。
その仕掛け人が、TBSのドラマ制作部で『半沢直樹』シリーズなど人気作品を手がけてきた名監督の福澤克雄さんだ。旧姓山越。慶大が1985年度の日本選手権優勝を飾ったときの髭もじゃロックである。
そして劇中、廃部の危機にあった社会人チーム・アストロズのSO浜畑譲役を演じ、GM役の大泉洋さんと並び主演級の存在感を放ったのが、慶大ラグビー部の後輩で、日本代表元主将の廣瀬俊朗さんだ。
ラグビーW杯から1年。あの熱狂へ道を開いた二人に、ドラマの裏側を振り返ってもらった。
―ドラマが企画されて、廣瀬さんを起用するまでの経緯を教えてください。
福澤 放送の4年前ですね、W杯イングランド大会で日本が南アフリカに勝って3勝したとき、エディージャパンの団長で、僕の学生時代のコーチだった稲垣(純一)さんと、帰国されたあとで食事したんです。そのとき稲垣さんは「イングランド大会は全試合満員だったけど、日本大会はこのままじゃ人気カード以外はガラガラだよ。やばいよ」と心配していらした。
そこで、ここはラグビーに恩返しをしようと思って、作家の池井戸潤先生に話してみたら、これが運よく池井戸先生もラグビーに興味をお持ちで。ラグビーの小説を書こうと考えていらしたときで双方の思いが合致して『ノーサイド・ゲーム』を書いて下さる運びになったのです。そしたらその原作に浜畑という、まるで廣瀬くんみたいな重要登場人物がいたわけです。
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