#1082
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「昨日は、怖くて寝られなかった」ジャパンの主将・姫野和樹は自分の“弱さ”を受け入れて<トヨタ新人時代の“孤独な部屋”とは?>

2023/10/13
新たに主将に就任したNo.8が、攻守にわたる獅子奮迅のパフォーマンスでジャパンを先導。苦悩の末に獲得した独自のキャプテンシーには、これまでにない牽引力が備わっていた。

「僕がキャプテンとして大事にしたいのは情熱、パッションです」

 その言葉通り、2023年W杯日本代表の船頭役として、力強く、ポジティブなエネルギー源であり続けた。

 初出場だった'19年大会から不動の主力。「将来のキャプテン候補」と期待され、満を持しての就任だったが、初戦チリ戦はふくらはぎの違和感により緊急回避。第2戦イングランド戦が姫野和樹の初陣になった。

 4点を追う後半3分。これ以上離されたくない局面で、今大会初の「ジャッカル」を決めてピンチを救った。不安を払拭する活躍だったが、チームは12-34で敗れた。

「率直に悔しい。でも下を向いている時間はない。次の試合に向けて準備したい」

 その「次」はサモアとの第3戦。共に1勝1敗。負ければ2大会連続の決勝トーナメント進出が遠のく大勝負だった。

パフォーマンスを出すことでリーダーシップを発揮。

 サモアは前進力が武器だ。日本がフォーカスするのは「最初のフェーズのディフェンス」(ジョン・ミッチェルDFコーチ)だった。

 開始3分。サモアが展開攻撃を仕掛ける。ここで姫野がモール後の1フェーズ目、2フェーズ目と連続タックル。その後の攻守交代を誘い、序盤の劣勢挽回に貢献した。

 アタックではボールキャリーで強みを発揮。一番槍として突っ込み、前半7分には屈強な相手HOセイララ・ラムを弾いた。

 17-3とリードしていた前半36分だ。HO堀江翔太がタックル時の頭部同士の衝突によりイエローカード。スクラム、ラインアウトの要を欠く事態となった。

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photograph by Hiroyuki Nagaoka

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