日本人投手はデビュー直後に一定の成功を収めても年を経るごとに成績を落としてしまうケースが多かった。果たして耐久力が不足しているという声は正しいのか。現役メジャーリーガーや球団幹部、記者の言葉から探った。
今では多くの日本人投手がメジャーリーグの先発ローテーションに定着し、大谷翔平、ダルビッシュ有のようにエース級もいる。WBCでマウンドに立った多くの選手の活躍もあり、日本人投手の質の高さはすでに全米に知れ渡った。近い将来、日本人初のサイ・ヤング賞投手が生まれても、もう誰も驚きはしない。
ただ、そんな日本人投手の弱点として、メジャーのトップレベルでの活躍が長続きしないことが取り上げられたことがあった。当初はある程度の成功を収めても、1、2年目をピークに頭打ちになるケースが非常に多かったのだ。
「日本人投手は故障か、不振かによって徐々に停滞してしまい、長いスパンで活躍できた例を捜すのは簡単ではない。波はあったが、野茂英雄は長きに渡って活躍した。松坂大輔は最初の数年がピークだったし、最高のスタートを切った田中将大も1年目途中に故障で離脱してしまった。若くしてケガをしてしまう先発投手が多いのは日本人だけではなく、アメリカ人も一緒だ。だから“日本人の弱点”と言い切ってしまうのは不公平かもしれない。ただ、 日本人投手に短期燃え尽き型が多いのは事実で、強調すべき点ではあると思う」
AP通信のマーク・フィッツパトリック記者が語っていたそんな言葉には一定の説得力があった。こうした傾向を見て、『スポーツ・イラストレイテッド』誌の有名記者、トム・バードゥッチは2011年、自身のコラム内で「日本人投手は3年目を境に故障か成績の下降を経験する」と指摘していた。
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photograph by BUNGEISHUNJU