フィニッシュした後、左足が大きく跳ね上がる独特の躍動感が戻ってきた。ブルージェイズ菊池雄星が、5月7日のパイレーツ戦で、今季5勝目を挙げた。先発ローテーションの5番手として開幕したものの、そのなかでただ一人、無敗のまま白星を重ねた。
「今までの経験、積み上げたものが少しずつ形になっている。メジャーに来て一番いい形で投げられている」
昨季味わった屈辱が、今季の原動力だった。3年総額3600万ドル（約48億6000万円）の好条件で移籍した'22年、先発の柱として期待されながら、不安定な登板が続き、8月中旬からは救援に配置転換された。古巣マリナーズ相手のワイルドカードシリーズでは、登板機会がないまま2連敗で敗退。かつての同僚たちが歓喜する光景を、ただぼう然と見つめるしかなかった。
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