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【荒川静香・浅田真央の恩師】重鎮タチアナ・タラソワが語るロシア女子の成長「選手たちは“宇宙”を目指している」<独占インタビュー/2019年>
2024/03/20
今季は、ロシアの女子選手たちにとっては激動のシーズンとなった。平昌五輪の金、銀メダリストが不調に喘ぐ一方、元世界女王の復活、ジュニアの台頭と、国内でも熾烈な戦いが繰り広げられ、世界選手権代表選考をめぐり激しい議論が交わされた。フィギュア界の名伯楽はそれぞれのシーズンをどう見たのか、ロシアでの独占インタビューに応じた。(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2018-2019 [重鎮が語るロシア女子の成長] タチアナ・タラソワ “宇宙”を目指す彼女たちの輝き。)
ロシア女子をめぐってはこの一年の間にさまざまな動きがあった。平昌五輪の結果を受けたISUのルール改正、選手の移籍、多回転ジャンプを跳ぶジュニア選手の台頭、世界選手権3枠をめぐる熾烈な代表争い──。才能あふれる選手がひしめき合いながらも絶対的な存在はなく、混沌とした状態が続いた。
こうした現状を、ロシアフィギュアスケート界の重鎮にして、これまで数々の名選手を指導してきた名伯楽タチアナ・タラソワはどう捉えているのか。モスクワで話を聞いた。
タラソワは今シーズンをこう振り返る。
「ロシア全体としてはシーズンを通してすばらしい結果を残せたと思っています。キヒラが優勝したGPファイナルを除けば、主要な国際大会はジュニアも含めて多くのロシア人が勝利しました。とても満足しています」
ザキトワは「女王の中の女王だと証明してみせた」。
シーズンの締めくくりの世界選手権は、五輪覇者のアリーナ・ザギトワが圧巻の演技で優勝。昨年は惨敗を喫し手にすることのできなかったタイトルをついに勝ち取った。タラソワは「自らが女王の中の女王であることを証明してみせた」とザギトワの栄誉を称える。
「アリーナは昨シーズンと比べてさらに成熟しました。スケーティングスキルが上達しただけでなく、内面的にもです。自分のスケートの魅力とは何かをよく理解しています。私は彼女のプログラムが大好きです。とくにフリーの華麗さ。彼女にぴったりマッチしていると思います。アリーナの演技は観る者に“画”を想起させます。完璧に滑り切ったときの印象はとても鮮烈なものになります」
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photograph by Olga Skorupskaya