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「しまったなと思っているのは…」新井貴浩が語る2025年広島カープ“5位敗北”の総括と今季の覚悟「選手とは距離を置きます」《新連載「鼓動 カープと広島の2026年」第1回》
球場内に設けられた飾り気のない部屋に入って来るなり、新井貴浩は不思議そうな顔をした。
「なんで? 大丈夫なん?」
今の自分とカープに一体、記すべき何があるのか? そう顔に書いてあった。
たしかに、成長途上の選手ばかりが揃った地方球団はチームとして過渡期を迎えている。2025年のシーズンを借金20の5位で終えたばかりだ。つまり、勝つことだけがただ一つの正解であるこの世界において、紛れもない敗者である。そこに見出すものなどあるのかと新井は首を傾げていた。
問いに対する答えは存在したが、二言三言で表現するのは不可能だった。だから質問を始めることにした。例えば新井がなぜ、自分たちの物語を敗北から始めようと決めたのかについてである――。
前シーズンを戦う中で、新井には明らかに不可逆的なある決断を下した瞬間があった。それはゲーム中のひとつの采配などではなく、球団全体や広島という街や、そこに住む人々にまで影響するような大きな決断である。カープは前半戦こそリーグテーブルの上位に踏みとどまっていたが、梅雨が明ける頃から徐々に下降し、9月の下旬にはクライマックスシリーズ進出の3位以内に入る可能性を失った。新井が変わったのはその少し前からだった。あれほど発散していた感情を封印して、どこか遠い目でグラウンドを見つめるようになった。グラウンドに立つのはあまり馴染みのない名前ばかりになり、星取りカレンダーには黒星が連なるようになっていった。
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