――イチローさんとの最初の出会いは雄星さんが小学生の頃と聞きました。
「多分、小学校3年生です。僕が野球を始めた2000年に公式戦で岩手に来られた。ダイエー(現ソフトバンク)戦でした。僕も含めて球場にいる9割くらいは背番号51のユニフォームを着て、サングラスをかけている人もいました。選手のみなさんは、ファーストベンチサイドでアップをしていたんですけど、イチローさんだけが外野で走っていた。その姿がかっこよくて。チームに入らず、ひとりで淡々とやられている。そこにかっこよさを感じました。カメラ片手に写真ばっかり撮っていました」
――雄星さんは高校時代、岩手の怪物と呼ばれていました。イチローさんから影響を受けたことはありましたか。
「'08年だと思うんですけど、僕が高校1年の時にNHKの『プロフェッショナル』という番組でカレーを毎日食べているのを見たんです。両親にDVDに焼いてもらって、毎日のように寮の部屋で見ていました。思いましたね。カレーを食べればうまくなるのかなって(笑)。そんなに甘くはないのに。あとは『神様は細部に宿る』という言葉があったんです。イチローさんの言葉として寮の部屋に貼っていたのを覚えています」
――そのイチローさんに初めてお会いしたのが'19年1月。シアトルで行なわれた雄星さんのマリナーズ入団会見のときだったと思います。
「小学校時代から、本当に実在する人なのかな?って、そう思っていました。あの日、イチローさんが球場で練習をされていて、クラブハウスでお会いしたんです。本当にオーラがあって、めちゃくちゃ緊張したのを覚えています。イチローさんの第一声が『お前デブだな。何キロあるの?』って。僕はジョークも返せない。102kgあります、みたいな感じで(笑)。それで笑いながら『デブじゃん』て言われました」
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています