#1049
巻頭特集

記事を
ブックマークする

[ICHIROを語ろう]菊池雄星「ハグされて“頑張れよ”が忘れられなくて」

2022/04/15
小3で生観戦して以来、ずっと追い続けてきた51の背中。マリナーズで初対面を果たし3年間にわたって間近で英雄を目の当たりにしてきた男が明かす珠玉の言動の数々。

――イチローさんとの最初の出会いは雄星さんが小学生の頃と聞きました。

「多分、小学校3年生です。僕が野球を始めた2000年に公式戦で岩手に来られた。ダイエー(現ソフトバンク)戦でした。僕も含めて球場にいる9割くらいは背番号51のユニフォームを着て、サングラスをかけている人もいました。選手のみなさんは、ファーストベンチサイドでアップをしていたんですけど、イチローさんだけが外野で走っていた。その姿がかっこよくて。チームに入らず、ひとりで淡々とやられている。そこにかっこよさを感じました。カメラ片手に写真ばっかり撮っていました」

――雄星さんは高校時代、岩手の怪物と呼ばれていました。イチローさんから影響を受けたことはありましたか。

「'08年だと思うんですけど、僕が高校1年の時にNHKの『プロフェッショナル』という番組でカレーを毎日食べているのを見たんです。両親にDVDに焼いてもらって、毎日のように寮の部屋で見ていました。思いましたね。カレーを食べればうまくなるのかなって(笑)。そんなに甘くはないのに。あとは『神様は細部に宿る』という言葉があったんです。イチローさんの言葉として寮の部屋に貼っていたのを覚えています」

――そのイチローさんに初めてお会いしたのが'19年1月。シアトルで行なわれた雄星さんのマリナーズ入団会見のときだったと思います。

「小学校時代から、本当に実在する人なのかな?って、そう思っていました。あの日、イチローさんが球場で練習をされていて、クラブハウスでお会いしたんです。本当にオーラがあって、めちゃくちゃ緊張したのを覚えています。イチローさんの第一声が『お前デブだな。何キロあるの?』って。僕はジョークも返せない。102kgあります、みたいな感じで(笑)。それで笑いながら『デブじゃん』て言われました」

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Getty Images

0

0

0

前記事 次記事