ヤクルト打線はこのピースが嵌って、ようやく完全型となるはずだ。5戦目にして戻ってきた「2番・青木宣親」である。
「甘くきたところは全部打ちにいくという気持ちで打席に入った。いいところを抜けてくれて良かった」
青木がこう振り返ったのは、同点に追いついた6回、なお2死一、二塁から放った右翼線二塁打だった。カウント1-1から近藤大亮が投じた3球目のフォークを迷いなく引っ張った打球が、一塁線を鋭く破った。
レギュラーシーズンでは、新型コロナウイルスへの感染や故障もあって81試合の出場にとどまっている。シリーズも1、2戦は代打で2三振。しかし第4戦に6番で先発起用されると2打数1安打1四球と結果を残し、満を持してこの試合では“定位置”の「2番」に戻ってきた。チームが初黒星を喫した直後の2番起用にこそ、高津臣吾監督がこのベテランに託した思いが込められていたはずだ。
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photograph by Naoya Sanuki