#1030

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<私が裁いた名勝負>ホイスの策は戦前から、それを超えた桜庭。

2021/07/13
語り継がれる名勝負をその演者のひとり、審判が振り返る。彼しか知らない新たな景色が見えてくる。

2000年 PRIDE GRANDPRIX 2000 決勝戦 準々決勝
桜庭和志 対 ホイス・グレイシー
5月1日/東京ドーム/桜庭のTKO勝ち

人を食ったマスク3人組で入場した桜庭だが、序盤は得意の柔術で組み立てるホイスが優勢に。しかし2Rで道衣脱がし、3Rには道衣をつかんだヒザ蹴り、そして執拗なローキックを繰り出す桜庭が徐々に試合を掌握。7R開始前にホイス陣営がタオルを投げ入れ90分の熱戦が決した。

   ◇

 名勝負は? と訊かれると、そのひとつとして僕は必ず桜庭和志VSホイス・グレイシーと答えます。21年前の試合だけど、記憶も鮮明です。ルールでグレイシー側と揉めましたからね。向こうの交渉の窓口であるホイスの兄貴ホリオンは「この一戦は砂漠の中で闘うのと同じ。だから誰の助けもいらない」という屁理屈をつけ、「試合時間は1ラウンド15分でラウンド無制限」「レフェリーやドクターによるストップはなし」といった特別ルールを突きつけてきた。

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