「滄海(そうかい)の一粟(いちぞく)」とウナギ博士は書いた。広大な太平洋の中での直径1.6ミリのウナギの卵探しは、海に落ちた一粒の粟を探すに等しい、との感慨がこもっている。本書は塚本勝巳先生が2009年、世界で初めて西マリアナの海山域で卵を採集するまでの軌跡を語る。
古代ギリシャのアリストテレスは、“ウナギは泥の中から自然発生する”と記述した。卵を持った親、孵化したばかりの子が見つからなかったためだ。卵の発見の意義を問うメディアに先生は、「古代ギリシャの時代から二四〇〇年も続いてきた謎が、ついに解き明かされる」ことになる、と胸を張った。
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