英語のウィナーズスピーチも堂々たるものだった。全仏オープンの車いす部門で上地結衣が初優勝。シングルスでは四大大会初の頂点だった。
男子車いすテニスの王者、国枝慎吾が「弱点がない」と絶賛する上地のプレー。左利きのフォアのストロークは攻撃力があり、バックハンドをつかれてもスライスで丁寧に配球する。1年前には千川理光コーチが「本人と相手の調子に(勝敗が)左右されるところがある」と話していたが、今や盤石の安定感を備え、この5月には初めて世界ランク1位になった。
初めて話したときに感じた「しっかりした子だな」という印象は、2年経ってますます強くなっている。接戦となった決勝の第1セットを振り返り、「タイブレークになれば取れる自信があった」と言いきる。重圧のかかる状況のはずだが、「1ゲームの中では相手のいいところも出てくるが、タイブレークは1ポイント1ポイント(の勝負)。相手の方がミスも多いし、自分から攻めていく自信もあった」というのだから恐れ入る。
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photograph by Hiromasa Mano