昼過ぎまで降り続いた雨は、キックオフの午後3時に合わせたように止んだ。雨上がりの透明な空気の向こう、雲の隙間から、雪を被った天山山脈の峰々が祝福するように顔を出す。
4月28日。東西の文化と歴史と民族が折り重なった中央アジア、カザフスタンのアルマティで行なわれた日本代表の今季初戦(対カザフスタン)。日本からはるか5000km。合宿地の大阪から14時間かけて移動、中1日で、標高800mの薄い空気の中の試合……そんなタフな条件に挑むように、新生ジャパンはピッチを駆けた。
キックオフから1分半、ジャパンは7次攻撃まで小刻みにボールを動かし続け、FLマイケル・リーチの突破から初キャップのCTB田村優が先制トライ。けたたましくチアスティックを打ち鳴らしていた敵地の観衆が沈黙する。
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photograph by Nobuhiko Otomo