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お花見シーズン直前ボタリング。
ブームの「墓マイラー」をやってみた。 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

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photograph bySatoshi Hikita

posted2011/02/26 08:00

お花見シーズン直前ボタリング。ブームの「墓マイラー」をやってみた。<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

知る人ぞ知る名門墓地(?)、染井霊園。

 都内の“ザ・有名墓地”といえば、誰もが知るのは「青山」「谷中」「雑司ヶ谷」「多磨」という墓地四天王(?)ではないか。

 だが実は、知る人ぞ知る名門墓地(?)が、もうひとつ駒込にある。それが次に行く「染井霊園」だ。

 名門、と、ことさらにいうのは、春、それこそ日本全国で満開になる「ソメイヨシノ」は、この染井霊園が発祥だからだ。

 ということで、青山を出て、皇居をぐるっと回って、国道17号線をまっすぐ北上していこう。

 この17号線、そのままずうっと上ると、やがて旧中山道となり、味わい深い江戸期の大街道になるわけだが、江戸市街の中では、ちょっと交差点を越えるたびに、どんどん名前が変わっていく。

 皇居の近く、日本橋あたりでは「中央通り」、神田お茶の水をこえるあたりでは「本郷通り」、そして、東大の農学部を行き過ぎると「旧白山通り」となる。

 行くごとに、東京都心テクノポリス(きゃー、古い言い方)が、江戸の丁髷(ちょんまげ)タウンに変わっていく。なかなか趣がある。

74歳ヒキタはとげぬき地蔵に怒る!?

 大まかなところ、東大本郷キャンパスをこえると雰囲気は下町で、江戸だ。その情緒極まれり、となるのが、やがて到着する巣鴨だろう。

 巣鴨といえば、とげぬき地蔵。通称「おばあちゃんの原宿」である。

 相変わらず呆れるほどに賑わってるなぁ。心からスゴいと思うよ。

 ただ、私は不思議なんだけど、こうして、殊更に「おばあちゃんのために」と用意されたものを、おばあちゃん当人たちは喜ぶものなんだろうか。

 ご自身ならば、どうですか?

 少なくとも、30年後の私が喜ぶかと言ったら、疑問だな。74歳ヒキタ、ことさらに「おじいさんにはこんなのがお似合いよ」なんて言われたら「バッカもん! ワシはこんなものは欲しとらん!」となるであろう。って、口調がジーサン口調になってしまっているのが、すでに、どうかと思うわけだが。

 でも、巣鴨地蔵通り商店街、本当におばあちゃんだらけ。ウィークデイなのに仰天の繁盛ぶりなのよ。これがどうにも私には不思議。齢をとると私などには想像もつかない境地に入るのだろうかね。

 さて、話は染井霊園だ。

 このとげぬき地蔵の本当に近くにある。大通り(17号線)をはさんで、ほとんど向かいだ。

 わお、これまで気づかなかったなぁ。とげ抜き地蔵を卒業すると、染井にどうぞ、ということなのかな(←篠山不謹慎)。

【次ページ】 ここぞソメイヨシノの故郷。

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