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岡崎慎司は救世主か、期待外れか?
ブンデス・デビュー戦を検証する。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byBongarts/Getty Images
posted2011/02/21 12:00
試合後半早々にイエローカードをもらってしまった岡崎。守備への過大な負担は、岡崎のプレーに焦りを生んでいた
岡崎への期待は、成績が悪いと大いなる怒りに変わる。
ブンデスリーガは17位と18位のチームが自動降格、16位のチームが2部で3位に入ったチームと入れ替え戦を行う。
この試合と同じ日、監督が交代したばかりの最下位ボルシア・メンヘングラッドバッハ(ボルシアMG)がシャルケに勝ったため、17位シュツットガルトと18位ボルシアMGとの勝ち点差はなくなってしまった。17位と18位をわけるのは、得失点差だけである。
岡崎が素晴らしいパフォーマンスを見せたアジアカップの全試合がドイツで放送されていたこともあって、期待と注目度はかなり高い。
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「シュツットガルター・ナハリヒテン」紙は「前線でダイナミックに動き、よく働き、ゴールの匂いを感じさせる選手」と岡崎を評している。そうしたメディアの影響もあり、デビュー前から岡崎の名前がプリントされたユニフォームを身につけている地元ファンも多かった。
岡崎は、降格圏にしずむチームの救世主として期待を集めているのだ。
だが、期待と注目度は、思うような成績が残せなければ怒りに変わる。ある意味、優勝争いを繰り広げるチームに加わるよりも難しい状況に岡崎は置かれてるのかもしれない。
「このチームは伝統のあるチームなので(2部に)落ちたらダメ。(ファンから)『来てくれてありがとう』と言われるようになりたいです」
救世主となるのか、期待外れと言われるのか。
天国と地獄の狭間をさまよう険しい戦いは、まだ始まったばかりなのだ。