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「ソフトバンクはなぜこんなにも強い?」日本シリーズの流れを変えた山川穂高と川村友斗の一発…背景に王貞治会長の直接指導「そんなに振らなくてもいい」
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/10/31 17:05
日本シリーズ4連勝で2年連続日本一となった福岡ソフトバンクホークス。その強さの秘密とは…
2021年の育成ドラフト2位で入団。決してエリート街道を歩んできたわけではない。24年に支配下登録されたが、25年はケガなどもあり、再び厳しい立場に追い込まれていた。そして今季も開幕1軍は果たしたものの、5月には右足首を痛め、打撃不振に苦しんだ。バットや構え、足の上げ方まで試行錯誤を積み重ねてきたが、打率は1割に届かなかった。
それでも与えられたわずかなチャンスのために準備を続けてきた。ラッキーパンチに見えるがそうではない。ソフトバンクにとってはある意味、そんな育成制度から生まれた選手の、必然の一撃だったのである。
補強組も安泰ではない
補強と育成。
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この命題が、ソフトバンクでは決して相反していない。外から獲得した選手が1軍を支える間に、若手は下のカテゴリーで実戦を重ね、競争を勝ち抜いていく。補強で現在の戦力を保ちながら、育成で次の戦力を生む。両輪を回し続けることが、チームの厚みになっている。
しかも、補強組も安泰ではない。山川でさえ今季は先発を外れることが多く、シリーズでも1、2戦はベンチスタート・代打で結果を求められた。川村も限られた出場機会をものにする力が問われる。補強とは、金があれば成立するものではない。獲得した選手に役割を与え、競争の中で結果を求める受け皿があって初めて機能する。実績も入団経緯も関係なく、与えられた場所で結果を残した者が勝利を引き寄せる。
その競争がソフトバンクという組織を活性化させている。
資金力だけでは常勝チームはつくれない。育成だけでは、目の前の勝利を積み重ねることは難しい。必要な戦力は外から獲り、未来の戦力は自前で育てる。その両方を可能にする組織と環境があるからこそ、ソフトバンクは強く、その強さを継続できているのである。
9回の山川、10回の川村。対照的な2人の一発が、ホークスの強さの本質を雄弁に語っていた。


