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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「活躍しないわけがない」阪神・佐藤輝明を描き続ける人気漫画家が見た6年前の“伏線”…サトテル物語は「全9巻ならまだ4巻、もう次のステージに…」
text by

佐井陽介Yosuke Sai
photograph byNanae Suzuki/髙橋ツトム氏提供
posted2026/09/27 11:04
人気漫画家・髙橋ツトム氏の「人類の中で一番好きな人」だという佐藤輝明(左)。7月の広島戦での勝ち越しタイムリーに感動し描いた一作(右)
描いていて楽しいパーツは下半身とシワ
――佐藤輝選手の絵を描く前はどのような準備をされているのですか?
髙橋 インターネット上に上がってくる写真は見ないようにしています。見ると、それに引っ張られてしまうので。描く前に打ったコースと身に着けている装備、その色なんかをチェックしておいて、もう1回、動画を見返して。絵はいつも同じになってしまわないように、その日の違うポイントを探します。見てくれる人はやっぱり迫力のある打ち方をしている絵が好きだけど、そればかり描いていたら、みんな同じになってしまいますからね。
――描いていて楽しいパーツもあったりしますか?
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髙橋 下半身とユニフォームのシワですね。シワは体がどれだけ捻転してるかがよく分かるので。野球の動きって、構図的にものすごく黄金比が入っているんです。捻じれっていう逆の動きが入る。するとユニフォームにシワができて、僕らが言う黄金比になる。それを誇張して描いたら、重力と力感の伝わりがよく分かるんです。あとはそれをどう見せるか、ですね。今は打った3分後にはみんな写真を見られる。AIで加工されたモノもアップされる。それらと同じものを描いても意味がないですからね。
佐藤輝明の活躍を見せたかった大先輩
インタビューは17時頃に終了した。1時間後にナイターの阪神―巨人戦が控えていた。髙橋は済ませておかなければならない仕事を全て終えて、テレビの前に腰かけた。いつ佐藤輝のホームランが飛び出すか分からないから、油断はできない。
髙橋が描く佐藤輝の視点は多種多様だ。一塁側から背中を描く時もあれば、三塁側から正面を描く時もある。センターから見た姿はもちろん、カメラマンには不可能なホームベース付近の地面から見上げた視点のモノもある。全ての絵に「この男をもっと知ってほしい」という熱量がこれでもかと込められている。
髙橋には虎党の大先輩がいた。「総務部総務課 山口六平太」などで知られる漫画家、高井研一郎である。大の阪神ファンでもあった高井は2016年11月14日に79歳で亡くなった。佐藤輝が阪神からドラフトで1位指名される4年前の訃報だった。
「佐藤輝明選手、高井先生に見てもらいたかったな……」
髙橋はインタビュー終了後の雑談中、ぽつりと呟いた。そしてまた、背番号8を描く準備をせっせと再開した。

