プロ野球PRESSBACK NUMBER

「活躍しないわけがない」阪神・佐藤輝明を描き続ける人気漫画家が見た6年前の“伏線”…サトテル物語は「全9巻ならまだ4巻、もう次のステージに…」 

text by

佐井陽介

佐井陽介Yosuke Sai

PROFILE

photograph byNanae Suzuki/髙橋ツトム氏提供

posted2026/09/27 11:04

「活躍しないわけがない」阪神・佐藤輝明を描き続ける人気漫画家が見た6年前の“伏線”…サトテル物語は「全9巻ならまだ4巻、もう次のステージに…」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki/髙橋ツトム氏提供

人気漫画家・髙橋ツトム氏の「人類の中で一番好きな人」だという佐藤輝明(左)。7月の広島戦での勝ち越しタイムリーに感動し描いた一作(右)

――確かに佐藤輝選手は阪神との縁が深いように感じます。

髙橋 生まれた場所が甲子園のある兵庫県西宮市。小学生時代は阪神タイガースジュニアに所属していて、背番号8を付けていた。そういった僕らで言うキャラ作り、設定がひとつも外れていないと思ったんです。もしこの選手が活躍しなかったら、自分が何かを見落としているとしか考えられない。阪神タイガースに入るために生きてきたとしか思えなかったのです。佐藤輝選手のようなキャラ設定を漫画とかで使おうとしたら、ちょっとボツになるんじゃないかと感じるぐらい、やばい設定になっている。それなのに本人はそんなことを全然気にせず、流れに身を任せている。この選手はやばいぞ、と思いました。

――漫画家ならではの視点ですね。

ADVERTISEMENT

髙橋 もはや、この男は野球選手というより、コロナ禍で苦しむ人たちを救うために現れた、ぐらいに思いました。コロナ禍のあの雰囲気の中、人々に笑顔になってもらう、夢を見せてもらうために出てきた選手なのだと。ここまでの設定を用意された選手がタイガースに入る。これで日本全土とは言わないけれど、関西はもう大丈夫だと思いました。あのキャラ設定で活躍しないということはあり得ない。彼が活躍しなかったら人間界で行われているエンターテイメントの根幹が崩れる、ぐらいに思っちゃいました。

一度だけ能力を疑いそうになったタイミングとは?

――入団が決まったばかりのルーキーにそこまで想像を膨らませられた人はそう多くはなかったと思います。

髙橋 でも、そんな期待を全て受け止められるだけのギガ数、容量が佐藤輝選手の中にあると感じちゃったんですよね。野球とかいうレベルではなく、あの時の空気を叩き壊すだけの力が宿っていると思えちゃった。もう最高に幸せで、すぐさま彼にノックアウトされてしまいました。

――実際、ルーキーイヤーの開幕直後から特大アーチを連発して、阪神ファンのみならず野球ファンをワクワクさせてくれました。

髙橋 彼はコロナ禍の野球界を救いましたよ。僕、どうしても佐藤輝選手を見たくて、ルーキーイヤーのホーム開幕カード、京セラドーム大阪まで見に行きましたから。一塁側ベンチから出てきた佐藤輝選手の背中を見た時、思わず泣いてしまいました。もう感動しちゃって。

――とはいえ、佐藤輝選手のストーリーは決して平坦ではありませんでした。プロ4年目の2024年シーズンまでは不振に苦しむ時期も決して少なくありませんでした。

髙橋 それでも僕は彼の能力を信じて疑いませんでした。ヤクルトの村上宗隆選手と比べていたんです。佐藤輝選手が大卒、村上選手が高卒という違いはあれど、村上選手はプロ3年目に打率3割を超えて本格的に打ち出した。佐藤輝選手は絶対にいつかは打ちまくるだろうと思っていました。ただ、正直に振り返れば、1回だけ「もしかしたらこのままの選手になってしまうんじゃないか」と心配した時がありました。

――それはいつのタイミングですか?

【次ページ】 一番評価されるべき点は……

BACK 1 2 3 4 5 NEXT
#佐藤輝明
#岡田彰布
#阪神タイガース
#ランディ・バース
#髙橋ツトム
#掛布雅之
#湯浅京己
#立石正広
#王貞治
#長嶋茂雄
#江川卓
#小林繁
#新庄剛志
#金本知憲

プロ野球の前後の記事

ページトップ