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「普通、そんな考えにならないですよ」生卵を投げつけられた王貞治がチームに伝えた衝撃の“神発言”とは…「彼らには、良心があったんだよ」

posted2026/07/10 11:08

 
「普通、そんな考えにならないですよ」生卵を投げつけられた王貞治がチームに伝えた衝撃の“神発言”とは…「彼らには、良心があったんだよ」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

ファンに卵を投げつけられるという衝撃の事件後のミーティングで王が発した訓示に、若田部や小久保ら選手たちは驚愕した

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喜瀬雅則

喜瀬雅則Masanori Kise

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Hideki Sugiyama

1995年シーズン、福岡ダイエーホークスの監督に就任して以来30年以上。王貞治の博多での野球人生は、もはやジャイアンツでのそれよりも長くなった。今や常勝軍団となったホークスだが、ここに至る道のりは決して平坦ではなかった。「生卵事件」にショックを受ける選手たち。だが、直後の“伝説のミーティング”で王が発した言葉がさらなる衝撃を与える——。〈連載「博多の人・王貞治」第10回/つづきを読む

 2026年、ソフトバンクの1軍投手コーチを務めている若田部健一は当時、5年目のシーズンを迎えていた。ルーキーイヤーの1992年、かつての本拠地・平和台球場のラストゲームは10月1日の近鉄戦。ここで、後にメジャーで大活躍する野茂英雄との投手戦を1-0で制しての完封勝利を収めた。福岡ドーム開業の1993年、今度はダイエーの福岡ドーム公式戦初勝利は、4月18日の近鉄戦で若田部が先発して勝ち投手になっている。

 歴史の節目にその名を刻む若きエース右腕は、それまでの4年間で2度の2桁勝利を含む26勝を挙げていたが、1996年は2勝止まり。あの「生卵事件」の5月9日は、ビハインドの展開での4番手として登板していたのだが「えー? そこは、全然覚えてないですね」。

 投げた事実の記憶よりも、どうも、試合後の衝撃の方が大き過ぎたようだ。

なんでそんなことをするんだ?

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「日生球場にいて、卵が飛んできたのは目の当たりにしています。バスに乗る前から、乗るまでの通路で卵が飛んできて、よけて。『あー、来た来た』って、そんな感じでした。大きな出来事でしたね。ショックというよりも『なんで?』と思いました」

 どうしてそんなことをするんだ? やり過ぎじゃないのか? その若田部の思いは、別に咎められるものではない。むしろ、それが自然な反応だろう。

 宿舎に到着すると、憤怒の熱も冷めやらぬまま、若田部はミーティングに向かった。

 彼らは、本気で怒っているんだ——。

「卵を投げてくれるファンが、本当のファンだ、って言っていました。すごいなと思いました。怒るより、ファンの方を気にするんですから。印象的ですよね。プロとして何か、正されたような気がしました。やっぱりプロは、ファンのことを思うのが肝心なんだと」

【次ページ】 さらなる「神発言」の伝説

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