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「もし周東佑京が出ていたら…」WBCベネズエラ戦でなぜ“切り札”は封印されたのか「先に仕掛けるべきだった」侍ジャパン首脳が明かした「一番の後悔」
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2026/06/09 11:41
ベネズエラ代表に敗れた日本。準々決勝敗退の舞台裏とは…
金子 まずは誠也が負傷交代した場面です。あそこで周東を入れる方法もあったと思います。もちろん結果的には代わった森下が活躍していますからそれが正解ということでしょうけれど。あとは打順が下位打線に回った6回、7回にワンチャンスがあれば代走で行けましたが、誰も塁に出なかった。
――4回、1死一、二塁のチャンスで大谷を空振り三振にとった左腕のエマヌエル・デヘスス(タイガース)がそのまま回を跨ぎ、5回は中軸が倒れ三者凡退。6回はデヘスス、ホセ・ブット(ジャイアンツ)とつながれて、やはり三者凡退に終わりました。7回は9番の若月健矢捕手(オリックス)から1番・大谷へとつながる打順。ここで若月に代打を送るという選択肢はなかったのでしょうか? 近藤を代打に送り、塁にでたら代走・周東という手も打てます。
金子 そうですね。6回くらいからまず小園海斗(広島)が代打待機し、その後に近藤や牧原大成(ソフトバンク)も準備させていました。全員しっかり準備はできていたと思います。そこでなかなか動くタイミングがなかった。
「もっと早い展開で出していたら…」
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――相手が左投手(アンヘル・セルパ、ブルワーズ)だったということや、捕手を代えづらいという状況が大きかったですか?
金子 今大会キャッチャーの作業は本当に大変だったと思います。ただキャッチャーが3人もいるのだから、代打、代走というところで何かできただろう、と。6回以降、ベネズエラは日本の左の強打者に対してデヘスス、セルパといい左投手を当ててきた。特に翔平の打席にきっちりと力のある左投手をぶつけてきていたと思います。そこで受け身になるのではなく、こちらからどんどん動いて、相手のブルペンも動かさなければいけなかったんじゃないか。そういう思いはあります。
――悔いがあるとすれば中盤以降に近藤や周東をうまく起用できなかったことですか?
金子 そうですね。1、2点を追う展開のうちに、こちらから何か手を打たなければいけなかった。野球はやはり、自分たちから何か仕掛けなければ展開を動かすことはできないんだと感じました。最後の最後(9回)に代打で近藤を送り出しましたが、3点ビハインドになってしまっては彼が辛いだけだったと思います。近藤はフォアボールを選ぶことはいつでもできるような選手なので、もっと早い展開で出していれば何かが動いたかもしれません。本当に“たられば”ですけれどね。
〈つづく〉
#3では、WBCの戦いから浮き彫りになった日本野球の大きな課題。「ピッチコム」や「ピッチクロック」を導入するだけで何かが変わるのか? 今後の日本代表への提言を聞く。


