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「もし周東佑京が出ていたら…」WBCベネズエラ戦でなぜ“切り札”は封印されたのか「先に仕掛けるべきだった」侍ジャパン首脳が明かした「一番の後悔」
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佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2026/06/09 11:41
ベネズエラ代表に敗れた日本。準々決勝敗退の舞台裏とは…
――これまで国際大会では、南米チームはよく「パワーはあるけど大雑把」というようなイメージで語られてきました。しかし実際に対戦したベネズエラは走攻守ともに日本よりも緻密な野球をしてきたように思います。
金子 事前のミーティングでも、スコアラーの方は「ベネズエラは頭のいいチームです」という話をしていました。相手の隙を突くのも上手だし、いやらしいこともやってくる。セーフティーやプッシュバントもありますよ、と。4番に座るベテランのエウヘニオ・スアレス(レッズ)のようにブリブリと振ってくるタイプもいれば、アクーニャやジャクソン・チョーリオ(ブルワーズ)のように体はそこまで大きくなくても身体能力が高くて、これからMLBの主力選手になっていくような旬の選手も4、5人いる。
ベネズエラ打者に見送られた「フォークボール」
――実際に戦ってみて体感した下馬評との違いは?
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金子 ベネズエラの打者はフォークボールを相当見送っていましたよね。下馬評というか、報道やYouTubeではよく、日本人投手のフォークボール、スプリットはMLBでは投げる投手が少ないから通用する、なんでそういう投手を選ばないんだ、と言われていました。でも実際には、落ちる球には食いついてこない。インハイを突いて体を起こして外に行くスライダーを追いかけさせる、というような、日本野球の“出し入れ”も通用しない。MLBの打者だけでなく、韓国代表の打者にもそれを感じたので、これはロボット審判の導入と関係があると思っていました。
――ベネズエラは攻撃時に塁に出るとかなり大胆なリードをとってきたのも印象的でした。
金子 WBCはMLBと同様、牽制は2回まで。3回目はアウトにしないと進塁、というルールがあります。MLBの選手たちはこのルールを攻撃にも守りにも生かしている。1回牽制をもらったら、逆に“おとり”となって「もう1回投げてこいよ。牽制できないでしょ」とリードしながら勢いをつけて走り出す。
日本はそのルールを利用して走塁に生かすところまでは出来ませんでした。だからもし、周東が代走で出ていたら、このルールをどうやって使ったのかな、と思うんです……。実際に宮崎合宿の非公開練習中に、「わざとリードを大きくして牽制をもらっちゃったらいいですよね」というような話もしていたので、周東の中では色々と作戦があったと思います。
「最高の切り札」周東はなぜ使えなかった?
驚異的な俊足を誇る「最高の切り札」を使えなかったことは、日本代表の敗因の一つだろう。前回の2023年大会で周東は、準決勝のメキシコ戦で代走出場し、一塁からサヨナラのホームを踏んだ。3年の月日を経て所属のソフトバンクでは不動のレギュラー選手に成長。今大会も1次ラウンドでは俊足を生かした守備で失点を防ぎ、先発出場したチェコ戦では3ランを放つなど打撃でも存在感を見せていた。
――ベネズエラ戦で周東の使い所はなかったのでしょうか?


