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「W杯を戦う上でも大事」谷口彰悟も伊東純也も三笘薫も鎌田大地も上田綺世も…なぜ日本代表の登竜門はベルギーなのか〈1部クラブ日本人CEOの視点〉 

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佐藤景

佐藤景Kei Sato

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photograph byMarc Atkins/Getty Images

posted2026/05/10 11:02

「W杯を戦う上でも大事」谷口彰悟も伊東純也も三笘薫も鎌田大地も上田綺世も…なぜ日本代表の登竜門はベルギーなのか〈1部クラブ日本人CEOの視点〉<Number Web> photograph by Marc Atkins/Getty Images

イングランド戦の先発メンバー。現日本代表の主力はほとんど「ベルギー経由」で欧州での実力を育んだ

 海外移籍はできれば10代、遅くとも20代前半でヨーロッパに行くことが望ましいとされている。その中で、谷口のケースは異例中の異例だ。2年前の夏、カタールのアル・ラーヤンからSTVVに加わったときには33歳になっていた。

 なぜ、すでにベテランの域に達していた選手を迎え入れたのか。

「選手を獲得するとき、私は彼ら自身のキャリアに対するビジョン、『この選手は何のためにうちに来るのか』を重視します。もちろん、クラブ経営という視点で考えれば、選手獲得は先行投資の側面もあるので、その選手が成長して移籍金を残してくれることが理想です。その意味からすれば、年齢は若い方がいいでしょう。ただ彰悟は若手ではありませんでしたが、彼にははっきりとしたビジョンがありました。

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 アル・ラーヤン時代は待遇面で満足のいくものがあったと思います。でも本人からすると、フットボールのレベルが求めるものではなくなってきた。前回のワールドカップ(W杯)を経験したことが大きかったと聞いています」

彰悟の持つリーダーシップが

 谷口自身もキャリアの中でカタールW杯が転機になったことを認めている。立石CEOが言葉を続ける。

「最初はバックアップとしてW杯を迎えていたと思いますが、重要な試合(スペイン戦、クロアチア戦)でプレーすることになりました。あの舞台で感じた刺激と経験が大きかったのでしょう。本人から『もう一度、あの場所に戻りたい』という気持ちを何度も聞きました。プロのフットボーラーは成長を求めるものですが、本気でW杯出場を目指す中で、ヨーロッパでプレーしたい思いが強くなっていった。そういう野心があるならば、ここに来ることにも大きな意味がある。それにわれわれは若いチームですから、彰悟の持つリーダーシップがクラブのプラスになるとも思いました」

 立石CEOの考えは、果たして現実になった。2024−25シーズンは開幕早々に左アキレス腱断裂の重傷を負って長期離脱を余儀なくされたが、本格復帰となった25−26シーズンの谷口は尻上がりに調子を上げ、若いチームを牽引してみせる。レギュラーシーズンを3位で終え、ヨーロッパのカップ戦出場を決めるプレーオフ1進出に貢献した。

大げさではなく、奇跡のような復活

 特筆すべきは、日本代表での立ち位置の変化だ。昨年10月のブラジル戦、今年3月のイングランド戦と強豪を撃破した試合で先発し、堂々たるプレーを披露した。この時期のプロセスについて、立石CEOはどのように見ていたのか。

【次ページ】 日本人が一番苦手とするものがベルギーにはある

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