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「W杯を戦う上でも大事」谷口彰悟も伊東純也も三笘薫も鎌田大地も上田綺世も…なぜ日本代表の登竜門はベルギーなのか〈1部クラブ日本人CEOの視点〉
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佐藤景Kei Sato
photograph byMarc Atkins/Getty Images
posted2026/05/10 11:02
イングランド戦の先発メンバー。現日本代表の主力はほとんど「ベルギー経由」で欧州での実力を育んだ
「昨季のケガは、加入してチームに馴染み、彼が欠かせない存在になってきた矢先のことでした。われわれにとっても離脱は非常に痛かった。これは本人とも話しましたが、ケガがケガでしたし、正直、年齢のこともあってピッチに戻ってきたとしても同じパフォーマンスが出せるのかという不安がありました。でも彼はピッチに戻るという強い意志を持ち続けて、W杯に出場することを諦めなかった。大げさではなく、これは奇跡のような復活だと思います」
さらに驚かされたのが、谷口が「以前と同じパフォーマンス」に留まらなかった点だ。
「彰悟は、まだまだ伸びている、成長している感じがします。本人に聞いたら『僕もそう思います』と言っていました。彼の成長はチームの成績にも比例しています。年齢面においても、ベルギーリーグという場所でプレーすることについても、とても素晴らしいサンプルになっているんじゃないかなと思います」
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年齢とともに下降線をたどるどころか、以前よりも存在感が増している。日本代表の3バック中央では現在、最も優先順位が高い選手になった。「ベテランのバックアッパー」ではなく、不可欠な存在として2度目のW杯に臨もうとしている。
日本人が一番苦手とするものがベルギーにはある
興味深いのは谷口の進化を受けて、ベルギーリーグには独自の価値があると立石CEOが指摘している点だ。ベルギーリーグは、ヨーロッパの5大リーグとレベル差があると思われがちだ。各コンペティションにおける戦績を考えれば、その見方は否定できない。だが、選手の成長を促すという点においては、別の背景が存在する。
「日本人選手がここベルギーリーグで成長する秘訣とは何なのか。彰悟ともよく話すテーマですが、私は、日本人が一番苦手とするものがここにはたくさんあるように感じています。これは日本の育成が間違っているという話ではないです。ただ、日本の育成のストロングポイントとは対極にあるもの、多くの日本人選手が苦手とする要素がピッチにたくさん落ちていると思うんです」
「W杯で戦う上でも大事な部分」とは
日本では個の能力を高めるとともに、互いを補完し合う組織立ったプレーが重んじられる。対して、ベルギーリーグの戦いはまず「個人戦」がベースにあるという。実際、試合を通して1対1の局面が何度も訪れ、否応無しに「個」の力がむき出しにされる。

