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ラグビーPRESSBACK NUMBER
「レイシストがルールを作っている」元日本代表選手も猛批判…ラグビーリーグワンの“新規程”が大紛糾のナゼ リーグ側は「差別を意図したものではない」
text by

大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byJMPA
posted2026/05/11 06:05
2019年のW杯では日本代表として活躍した中島イシレリ。今回の新規定での影響を受ける選手のひとりで、その方針を強く批判した
もうひとつの問題は「日本代表に多大な貢献をした選手に対する優遇措置」の部分だ。
リーグが発表した新規程では、日本代表30キャップを持つ者は「日本代表に多大な貢献をした選手に対する優遇措置」としてA-1と扱うとしている。
「キャップ」とはラグビーにおけるテストマッチ(国と国の正式な対戦)出場数で、現役選手でこれを満たすのは92のリーチマイケル(BL東京)、47のツイヘンドリック(浦安DR=今季で引退)、38のディラン・ライリー、30のヴァルアサエリ愛(以上埼玉WK)くらいだ(他に、今季はNZのハリケーンズでプレーするワーナー・ディアンズが32キャップ)。
多くの功労者が「多大な貢献をした」とされない?
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2019年W杯で日本代表の8強進出に貢献した具智元は29、ラファエレティモシーは28、中島イシレリは9(以上神戸S)、レメキロマノラヴァ(三重H)は20、ピーター・ラブスカフニ(S東京ベイ=今季で引退 )は19で、いずれも「多大な貢献をした選手」には含まれないことになる。当該選手のひとりである中島は「レイシストがルールを作ってしまっている」と強い言葉で今回の改訂を批判している。
なかでも筆者が気になるのはレメキのケースだ。レメキは15人制では2019年W杯で日本代表の8強進出に貢献し、2023年W杯では直前に招集されながら全4試合に出場し、MVP級の働きをみせた大功労者だが、15人制のキャップ数は20。優遇措置の対象にはならない。
だが、レメキは7人制日本代表でも長く活躍し、24キャップを持つことは日本協会HPにも明記されている。合算すれば「44」だ。特に2016年のリオ五輪では日本の中心選手としてプール戦でニュージーランドを、準々決勝でフランスを破り、メダル目前の4位という好成績の原動力となった。
これは7人制と15人制を通じ、ラグビーの日本男子が世界大会で残した最高成績だ。だが7人制での貢献は今回の「優遇措置」の対象にはカウントされないという。東海林専務理事に理由を問うと「検討はしたが、7人制にはいろいろな大会があり、どれをカウントすればよいか判断が難しい」ので数えないことにしたと明かした。15人制も7人制も、日本を代表して世界と戦うという点において違いはないのに。
7人制の競技環境は厳しい。代表チームに選ばれれば選手は遠征と合宿に明け暮れ、年間の活動日数(≒拘束日数)は200日を超えることもある。チームは15人制の活動にほぼ参加不能な選手を雇用して代表活動に貢献し、選手は低い査定と契約解除のリスクを覚悟しながら代表活動に参加する。国籍が必須である五輪のために日本国籍を取得した選手もいる。

