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アントニオ猪木がタイガーマスクを“一度だけ”ホメた「次の技はやる必要ない」佐山聡が今語る“伝説のシューティング合宿”「あれはCGです!」
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堀江ガンツGantz Horie
photograph by東京スポーツ/アフロ
posted2026/05/06 11:02
史上初のNWA世界ジュニアヘビー級とWWFジュニアヘビー級2大王座を統一し、アントニオ猪木の祝福を受けるタイガーマスク
佐山 いえ、何も言われなかったです。まあ、認めてくれていたんでしょうね。ボクは空中殺法とか、派手な技をやるたびに「怒られなくてよかった」と思っていましたけど。
猪木から一度だけホメられた日
玉袋 具体的にどこがよかったみたいに言われることもなかったんですか?
佐山 あっ、試合に関しては1回だけ言われましたね。ブレット・ハートとやったとき、トップロープに登ってドロップキックをやったんですよ。
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ガンツ いわゆるスワンダイブ式ドロップキックですね。
佐山 その一発でブレットの目がいっちゃってるのはわかったんですけど、最後は人間風車で仕留めてやろうと思って、半分失神状態のブレットを投げてワンツースリーだったんですよ。その試合後に猪木さんから「あんな蹴りを決めたあと、もう次の技はやる必要ないよ。せっかくの技が落ちちゃう」って言われて「あー、なるほど。よく考えてるな」と思いましたね。
ガンツ ドロップキック一発でフィニッシュとしての説得力があるんだから、その後、人間風車をやることで“つなぎ技”に落とす必要はないってことですね。
佐山 そういうことです。試合に関してはそれぐらいしか言われなかったので、「これでいいのかな」と思いながら、自分なりに一生懸命やっていましたね。
「いい対戦相手に恵まれましたね」
玉袋 だからタイガーマスクの動きっていうのは、それまでのプロレスにはないものだけど、誰もが認めざるをえないくらい凄かったってことだよなあ。蔵前のキッドとの試合がまったくの初対決っていうのも凄いし。
佐山 やっぱり、ダイナマイトがいたからこそタイガーマスクもあったと思いますし、ブラック・タイガーがいて、とどめで小林邦昭さんが出てきて。いい対戦相手に恵まれましたね。
ガンツ 新日本でのタイガーマスクの活動期間ってわずか2年4カ月で、しかも40年前の話ですけど、それがまったく色あせないのはいかにインパクトがあったかってことですよね。
佐山 いまだに言われますからね。その後、ボクが格闘技をやっていても、どうしてもタイガーマスクのほうに話がいっちゃうし。

