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「腹が立ちました。でも自分が未熟だった」元アイドルの若手レスラーが“SNSの動画拡散”に本音「肩、太ももがサイズアップ」橘渚が語るプロレス最優先の覚悟
posted2026/05/11 11:03
マリーゴールドで活躍する女子プロレスラーの橘渚
text by

橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
この1年ほどで、大きく様相を変えた“戦場”がある。女子プロレス団体マリーゴールドの若手戦線だ。
マリーゴールドは2024年5月に旗揚げ。ジュリア、林下詩美などスターダムを離脱した選手に元アクトレスガールズ勢が加わって主力を形成してきた。
その一方、2年という短期間で大量の選手がデビューしている。他団体での練習生経験者や再デビューも含め10人以上。その筆頭が、レスリング出身の“スーパールーキー”山岡聖怜だ。心希はLLPWなどで活躍した大向美智子の娘であり、現役高校生レスラーとしても注目される。
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代表のロッシー小川氏は、旗揚げ当初から「ここでデビューした選手たちがメインイベントを張るようになった時が大事なんです」と言っていた。スカウティングと育成はどのスポーツ組織にとっても生命線だ。ただ、マリーゴールドの場合は後者が完全にうまくいったわけではなかった。
「腹が立ちました。でも未熟だったのも確か」
山岡がデビュー後すぐにタイトルを獲得したのとは対照的に、つたなさが目立ってしまう選手もいた。プロレスには若手が黒星を重ねながら少しずつ成長していく姿を見続けるという楽しみもあるのだが、なかなかうまくいかない。
小川氏は全日本女子プロレスのスタッフから業界キャリアを始め、スターダムを設立した人物。常に女子プロレス界の中心を歩んできた。だからこそ“新人も凄くて当然”という見方が出てくる。また小川氏は信奉者とともに“アンチ”も多い。「ロッシーの新団体はこんなもんか」と言いたがる人間もいるわけだ。
SNSでは、試合中継から技を失敗した場面だけ切り抜いてアップするアカウントまで現れた。確かに、マリーゴールドの若手には期待されるレベルに達していない選手もいた。とはいえミスはどの団体にもあるものだ。ことさらにそこだけをあげつらうのはアンフェアだし、そもそも動画の無断使用になる。
「腹が立ちました。でも自分が未熟だったのも確かなので。練習してレベルアップするしかないと」
そう振り返るのは橘渚。2024年12月にデビューした、マリーゴールド生え抜きの若手だ。橘は16歳でアイドルになり、グラビアでも活動。同じ事務所の咲村良子、咲村とアイドルユニットを組む勇気みなみと同時期にマリーゴールドに入門した。勇気は別の団体でデビューしたことがあり、マリーゴールドでは再デビューだった。

