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清水邦広39歳現役引退「膝の状態は、だいぶヤバいです」大ケガを乗り越えた“大エース”が最後まで愛された理由「やっぱりバレー、面白いっすよ」
posted2026/04/24 17:00
大阪ブルテオンの新体制発表会で笑顔を見せる清水邦広(2025年10月、中央)。後輩たちに思いを託し、今シーズン限りでユニフォームを脱ぐ
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Sankei Shimbun
この日がついに来てしまった。
2026年4月24日、元バレーボール男子日本代表・清水邦広が現役引退を発表した。
2009年の入団からパナソニック一筋の現在39歳、今年8月には40歳の誕生日を迎える。北京、東京と2度のオリンピック出場しながらも、ここ最近はケガとの戦いが続いていた。年々出場機会を減らし、今季ベンチ入りしたのは11月1日のヴォレアス北海道戦のみ。この日も出場機会はなく、筆者がユニフォーム姿の清水を目にしたのは1年前、ともに日本代表でプレーした米山裕太の現役ラストゲームとなったSVリーグレギュラーシーズン最終節まで遡る。
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「膝の状態は、だいぶヤバいです。毎日大変ですよ」
会場で顔を合わせれば笑顔を絶やさなかったが、脚をかばっている様子はすぐにわかった。公式戦のコートで清水が全力で跳び、強烈なスパイクを打つ姿を再び見ることは難しいのかもしれない。そんな予感は頭に過っていたが、いざ「現役引退」という文字を目の当たりにすると、やはり寂しさを感じてしまう。今も「ずっと見ていたい」と思うのは、どんな苦境でも前を向き続ける清水の姿を長く追いかけてきたからだ。
未来を明るく照らした新星
福井工大福井高校の在学時から次世代を代表するエースとして注目を集めた清水の名が本格的に轟いたのは、東海大学3年の秋に出場したワールドカップだった。
当時の男子バレーは長らく五輪出場を逃し、「女子バレーは面白いけれど、男子バレーは勝てないからつまらない」と酷評されていた時代。ゴールデンタイムに地上波で中継されるワールドカップでも注目度は決して高くなかった。
そんな中、開幕戦となったチュニジア戦で一人、気を吐いたのが、スタメン起用された当時21歳の清水だった。試合はフルセットの末に敗れたが、チーム最多の25得点を挙げる活躍で鮮烈なデビューを飾った。
大会自体も3勝8敗で12チーム中9位に終わったものの、新星オポジットの存在は翌年の北京五輪に向けて確実に男子バレーの未来を明るく照らしていた。

