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君が代後、日本代表サポの大声援がイングランド国歌でピタリと止み…「ザックにトルシエ、岡崎慎司も現場に」取材記者が鳥肌“NHKに映らない”舞台裏
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byJFA/AFLO
posted2026/04/02 06:03
聖地ウェンブリーで勝利をつかんだサッカー日本代表。舞台裏はどんなことが起きていたか
「一部の国では対戦相手の国歌にブーイングするようなところもある。でも、日本は、サポーターもファンとしての経験値を積み重ねてきている。かつて日本のサポーターは、海外アウェイの洗礼をよく知らずに乗り込んで、いろいろ学んできた歴史がある。今や8万人のウェンブリーで、自然にできる。日本のサッカーファンが、本当の意味で世界水準になったと感じた瞬間でした。
何より、W杯はその国の総合力が試される。選手だけでも監督だけでも、協会のスタッフだけでもダメ。サポーターも一流にならないといけないんです。僕は今日ほど日本のサポーターを誇らしいと思ったことはありません。あとこれが今日一番、僕が胸を打たれた話かもしれないんですが……」
ザックもトルシエも岡崎慎司も来ていた
――何でしょうか?
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「試合後、チームのところに3人が激励に来てくれたんです。ザッケローニ元監督、トルシエ元監督、そして岡崎慎司さんです。
ザッケローニ元監督は、南アフリカW杯後に就任して、そこからの4年間で日本にサッカーブームを巻き起こしていた人でした。当時は合コンをしていても、合コン中の話題が普通にサッカーになっていたりもしましたしね。コアファンは成長したけど、あの4年間ほどライト層を巻き込んだ期間はなかったのではないでしょうか」
――たしかに当時の熱量は素晴らしかったです。もちろんトルシエ元監督の頃も。
「そうですね。トルシエさんは、日韓W杯で日本を初のベスト16に導いた人。そして岡崎さんは日本代表の9番を背負った生き字引で、いまだに破られない日本人の5大リーグの最多ゴール記録、マインツの選手としてのシーズン最多ゴール記録を持っている。この3人が揃ってウェンブリーに来てくれたという事実の重さを、僕はじっくり考えてしまった。2002年のトルシエ、2010年代のザッケローニ、そしてその時代にエースとして走り続けた岡崎さん。彼らがもたらしてくれたその延長線上に今の日本代表がいる。
選手たちがその3人と言葉を交わす姿を見て、森保一監督が言っていた言葉を思い出しました。『ここまで来られたのは、先人たちが積み上げてくれたものがあったから』と。イングランドを破った歴史的な夜に、その歴史そのものが3人の姿で目の前に現れた。日本サッカーは、確かに積み重なっている。その実感が、あの夜のウェンブリーには、あったんですよ」〈サッカー日本代表特集:つづく〉

