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南野拓実と久保建英不在で「新しい攻撃の選択肢ができた」? 実はイングランド戦で初めて実現した「中村・三笘・堂安・伊東同時先発」の深い意味
posted2026/04/05 11:00
堂安律、中村敬斗がWBに、三笘薫と伊東純也がシャドーに入るという“サイドの4人が共存”フォーメーションがイングランド戦で初めて実現した
text by

佐藤景Kei Sato
photograph by
Getty Images
現在の日本代表はなぜ強いのか。そのストロングポイントはどこにあるのか。
ウェンブリー・スタジアムで行われたイングランド対日本の試合前、海外で暮らす旧知の記者にそう問われた。
しばし逡巡し、日本らしさを象徴する答えを返した。献身性と団結力、そして組織力。森保一監督が、それらをさらに高い水準へと引き上げてきた事実も付け加えた。
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だが、話しながら気づく。それは過去のチームから通底する強みであり、「現在の」という問いへの最適解ではない。件の記者が求めていたのは、より具体的で現代的な回答だ。そこで指揮官がかつて話していた言葉も言い添えた。
「サイドと2列目のアタッカーの充実。それが現在の日本の強みだと思う」
堂安、中村、伊東、三笘の4人が初の同時先発
図らずもイングランド戦は、そんな指揮官の考えを証明する一戦となった。日本の武器たる4人が初めて先発で共演し、ピッチに圧倒的な流動性とスピードをもたらしたのだ。
スコットランド戦に続き、日本はアジア最終予選以来のベースである3-4-2-1を採用した。特筆すべきは、右ウイングバック(WB)に堂安律、左に中村敬斗を配し、シャドーの右に伊東純也、左に三笘薫を並べたその構成だ。代表では本領をサイドに置く4人が、同時にピッチへ送り出されたのである。
負傷により南野拓実や久保建英を欠いたことも、伊東と三笘を「外(WB)」ではなく「内(シャドー)」で起用した理由の一つだろう。今回のイギリス遠征では、主軸の不在をいかに補うかが一つのテーマだった。実際、スコットランド戦では新戦力として代表歴の浅い鈴木唯人と佐野航大を試したが、彼らのプレースタイルはどちらかと言えば南野や久保に近いタイプといえる。
「縦」のシャドーと「横」のシャドー
南野や久保、あるいはイングランド戦の途中でボランチからポジションを移した鎌田大地がシャドーを務める場合、彼らは第3列まで下りて頻繁にビルドアップに関与する。ボランチと入れ替わる「縦のポジションチェンジ」で相手の守備を混乱に陥れるのがこれまでの定石だった。スコットランド戦ではそうしたチームの機能性を維持しつつ、新戦力のテストを狙って鈴木と佐野を起用した。

