熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「アメリカに悪い感情は」「ジャッジはサッパリ」“トランプと遺恨”に見られがちなベネズエラ熱狂のWBC優勝だが…マイアミで聞いた複雑な声と報道
posted2026/03/29 17:01
WBC初優勝を果たしたベネズエラ。アメリカとの決勝も素晴らしい雰囲気だった
text by

沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Nanae Suzuki
「これからベネズエラの将来は明るいぞ!」
3月17日夜、マイアミのローンデポ・パークで行なわれたWBC決勝で、ベネズエラが地元アメリカを3−2で下し、初優勝を遂げた。
試合後、外野席の通路は大変な騒ぎになっていた。
楽団が奏でるパワフルなラテン音楽に合わせ、通路を埋め尽くしたベネズエラ人たちが歌い踊る。
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「ベネスエラ・カンペオン」(ベネズエラがチャンピオンだ)
こんなコールが繰り返される。
“王者の行進”は、エスカレーターで内野席通路へ降り、地階へ降り、さらにはスタジアムを出てからも続いた。南米各地のフットボール・スタジアムで繰り広げられるのと良く似た光景だった。
「おめでとう!」と祝福すると、興奮した言葉が返ってきた。
「我々ベネズエラ人は、こういう勝利をずっと待ち望んでいた!」
「これからベネズエラの将来は明るいぞ!」
一人ひとりの熱量が凄まじかった
観衆は、60:40くらいでベネズエラ人の方が多かった。ベネズエラからアメリカへ入国するのは極めて困難だそうで、ほぼ全員がアメリカ在住のようだった。
彼ら一人ひとりの熱量が、とにかく凄まじい。初回から、ベネズエラの攻撃中はもちろんのこと、守備の局面であろうと、1球ごとに体全体で応援する。概ね攻撃の時だけ前のめりになるアメリカ人ファンとは、気持ちの入り方がまるで違う。マイアミで行なわれた試合でありながら、ベネズエラのホーム状態だった。
このような状況で、ベネズエラ陣営が奮い立たないはずがない。
3回にマイケル・ガルシアの犠牲フライで幸先よく先制。5回にはウィルヤー・アブレイユが中越えに豪快なホームランを突き刺して加点。ベネズエラ人たちは、絶叫しながら飛び上がり、大きな国旗を振り、前後左右の者と抱き合って喜んだ。

