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「もともと大学に行くつもりはなくて」21世紀枠で甲子園初出場…ある農業高校キャプテンの“意外な夢”とは?「高校を卒業したら費用を溜めて…」

posted2026/03/21 06:06

 
「もともと大学に行くつもりはなくて」21世紀枠で甲子園初出場…ある農業高校キャプテンの“意外な夢”とは?「高校を卒業したら費用を溜めて…」<Number Web> photograph by Fumi Sawai

春夏通じて甲子園初出場となる県立高知農業高の主将を務める杉本仁。卒業後は「野球は一区切り」で自身の夢を追うという

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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 3月19日に開幕した春のセンバツ高校野球。注目校のひとつが、21世紀枠で甲子園初出場となった高知農業だ。一時は廃部危機にも陥ったというチームを引っ張る主将の素顔とその「意外な未来図」とは?《NumberWebルポ全2回の2回目/最初から読む》

 21世紀枠で初のセンバツ甲子園出場を決めた高知農業高校野球部で主将を務めるのが、杉本仁だ。普段は所属する森林総合科で、森林での測量技術や森林管理技術を学ぶ。 

 そんな杉本が野球を始めたのは小学校5年生の時だった。

 野球を始める前は水泳をやっていて、小学校1、2年生の頃は県内の大会に出場し、賞をもらうほどの実力があった。

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「でも自分の成長期が遅くて周りよりもタイムが出づらくて、今後も水泳を続けるか悩んでいた時に、父がやっていた野球に興味を持つようになったんです」

 地元は高知県のほぼ中央部に位置する高岡郡日高村。緑豊かな街で育った杉本は野球の楽しさに触れながらも、祖母が所有している山に幼い頃から興味を持ち「何か面白いことに使えないかな」と以前から考えていた。

農業高校進学を選んだワケは?

 中学生になると森林関係の仕事について本格的に考えるようになり、農業高校への進学の意思を家族に明かした。だが、両親は大学に進んで一般企業に就職することを望み、当初はあまり前向きではなかったという。

「林業系の勉強をしても就職先は限られるので。でも自分は中学生の頃から大学に行く気がなかったんです。山の開拓はお金がかかるし技術も必要なので、高校を卒業したら公務員になるか就職して費用を貯めて、それから林業に就きたいと思っていました」

【次ページ】 入部直後の野球部は「緩くてほのぼの」

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