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甲子園の風BACK NUMBER
「木材をバット代わりに振って…」一時は廃部危機も? 21世紀枠で“甲子園初出場”ある県立農業高校キャプテンが抱く“意外な夢”「野球は高校で一区切り」
posted2026/03/21 06:05
春夏通じて甲子園初出場となる県立高知農業高。一時は廃部危機にも陥ったというが、現チームの主将にはある夢があるという
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沢井史Fumi Sawai
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Fumi Sawai
3月19日に開幕した春のセンバツ高校野球。注目校のひとつが、21世紀枠で甲子園初出場となった高知農業だ。一時は廃部危機にも陥ったというチームを引っ張る主将の素顔とその「意外な未来図」とは?《NumberWebルポ全2回の1回目/つづきを読む》
「芝生の上に寝っ転がったんです。もちろん(監督の)下坂(充洋)先生に練習前にひと言(寝転んでいいか)言いましたけど……甲子園の天然芝は、すごくきれいで気持ち良かったです」
今春センバツに21世紀枠で出場する高知農の主将・杉本仁が、甲子園練習でのひと時を嬉しそうに振り返った。
近年は連合チームで活動していたことも
高知県南国市にある高知農業高校は1890年(明治23年)に創立され、野球部は戦後に創部されるも、数年で一度廃部になっている。その後、1999年に復活したが2021年には新入部員がゼロになり、連合チームとして活動を続けてきた。
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少子化に伴う生徒減少、さらには野球人口減少が懸念される中、19年に就任した33歳の下坂監督が長かった練習時間を効率良くこなすなど改革を進め、学校全体でも農業高校の魅力を発信してきた。
野球部の練習の場となる高知農業の第2グラウンドは、学校から約400mの場所に位置し、ビニールハウスや畑に囲まれている。周囲には風を遮る建物はなく、強風の日は風にさらされながらの練習となる。さらには夜間照明もなく、日没が早い冬の時期は簡易照明で一部を照らしながらティー打撃などに取り組んでいる。
昨秋の県大会では準々決勝で明徳義塾を相手に延長10回タイブレークまでもつれるも2-3で惜敗。だが、こういった困難な状況下でも限られた条件の中で鍛錬を積み、全国区の強豪と互角の戦いを演じたことも評価されての選考だった。

