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「すごかったです。言葉が出ないというか…」“史上最年少三冠王”村上宗隆が初めて感じた「大谷翔平、打撃練習の衝撃」<WBC侍ジャパン秘話>
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生島淳Jun Ikushima
photograph byNanae Suzuki
posted2026/03/16 17:27
2022年にNPB史上最年少で三冠王を獲得し、今季よりメジャーに挑む村上宗隆
2年目の'19年から一軍に定着すると、'21年には39本塁打で初の打撃タイトルを獲得した。'22年には史上最年少で三冠王を獲得するが、「あの夏の村上」のことは忘れられない。
7月31日、広い甲子園球場で3打席連続アーチをかけると、8月2日に神宮の中日戦で初回に本塁打。そして3回にも打球をスタンドへと運び、なんと5打席連続本塁打。移動日を挟んでの快挙は、まさに「村神様」というニックネームがふさわしく、この夏の神宮では誰もが村上の打席を食い入るように見ていたことが思い出される。
外れ1位から5シーズン目、村上は日本球界最高の打者へと成長していた。
大谷翔平の打撃練習に受けた衝撃
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日本の三冠王は'23年のWBCでも当然、4番を任された。ところが、村上の前に大谷翔平が現れる。大谷がチームに合流し、初めて打撃練習を行ったのは3月4日のバンテリンドーム。この日、大谷はボールをピンポン玉のように外野スタンドへと運んだ。フェンスぎりぎりのような安っぽい打球はない。中には5階席まで運んだ打球も。この大谷の打撃練習は村上にとって衝撃だった。
「初めて見たんですけど、すごかったです。言葉が出ないというか、初めて感じたことが色々ありました。すごいな、のひと言です」
悔しいという言葉も使った。三冠王のプライドさえくじくほどの大谷の圧倒的なパワー。このあとのWBCでも村上は極度の不振に陥ったが、準決勝のメキシコ戦でサヨナラタイムリーを放ち面目躍如。この村上の一打がなければ決勝でアメリカと顔を合わせることもなかったわけで、村上はなんとか主砲の責任を果たしたことになる。
一方で、大谷の存在を間近で見て、「超えるべき対象」だと感じたかもしれない。
そしてWBCに参加することでアメリカの息吹を吸い、メジャーリーグでのプレーがいよいよ現実味を帯びてきた。'25年はヤクルトのラストシーズンになることが見込まれ、球団、村上にとっては大切なシーズンになるはずだった。
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