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WBC連覇のカギを握る“大谷翔平の状態”…大谷スイッチはいつ入る?「思い出すのは2009年大会のイチローの姿」井端弘和監督の1番起用は“いい決断”か 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2026/03/05 17:17

WBC連覇のカギを握る“大谷翔平の状態”…大谷スイッチはいつ入る?「思い出すのは2009年大会のイチローの姿」井端弘和監督の1番起用は“いい決断”か<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

侍ジャパン合流後、強化試合を経ていまだ本調子でない大谷翔平。果たしてWBC本番での爆発はあるのか?

「個人的には想像以上の苦しみ、辛さ、痛覚では感じられない痛みを経験した」

 決勝戦後にこう語ったように、あのイチローですら、一つ間違って一つボタンをかけ違えてしまうと、とんでもないスランプの波に飲み込まれてしまう。そうして本来の力を発揮できないままに、打席に立ち続けなければならないのが短期決戦の怖さなのである。

 大谷も決してスーパーマンではない。

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 ひょんなきっかけから状態が上がらないままに本番に突入。スタートで躓くと、空回りしたまま試合だけが進んでいってしまうという危険性はある。イチローもそうだったが、責任感の強い選手ほど、こういう試合ではそのリスクがあるのも事実だ。

大谷の1番起用は「いい決断」

 そういう意味では井端監督の1番での起用は、大谷にとってもチームにとっても、いい決断になるはずである。

 阪神戦で本来のセンター返しで2安打を放った近藤と好調の鈴木で大谷の後ろの2、3番を組むことで、相手も大谷と勝負をせざるを得ない場面が出てくるかもしれない。もし、大谷との勝負を避けられても、後ろの2人でチームの得点力は上がるはずだ。また初戦の台湾戦からは、やはり調子の上がってこない村上宗隆内野手に替えて、吉田を4番に置くことになるだろう。近藤に鈴木、吉田と3人を合体させることで、もし大谷の状態が上がらない場合にもチームの得点力は確保できる。

 そして大谷にも1番を打つメリットはあるはずだ。

「(台湾は)素晴らしい投手が多いと思うので、入りが大事だと思います」

 公式会見で台湾メディアからの質問に答えた大谷は、1番起用についてはこう語っている。

「どこを打つかはわからないですけど、トップ(1番)なら出塁することが一番大事だと思うので、振ることだけじゃなく、しっかり見極めて仕事ができればいいかなと思います」

 プレーボールと同時に打席に立つことも、打席でしっかりボールを見る意識を持つことも、大谷の打撃が変わるきっかけになるかもしれない。

 そして何より大舞台になればなるほど、その空気が大谷を別の姿に変えてきたのも事実だ。大谷のスイッチがいつ入るのか。その瞬間が、侍ジャパンの連覇への号砲となる。

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