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「“社会インフラ”になっていくことが重要」JFAの47都道府県ネットワークはなぜ迅速、的確な支援ができるのか 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byHideki Sugiyama

posted2026/03/17 11:30

「“社会インフラ”になっていくことが重要」JFAの47都道府県ネットワークはなぜ迅速、的確な支援ができるのか<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

JFAリスペクト委員会防災・復興支援部会部会長の永島昭浩氏

日本代表OB・OG会と五輪金メダリストが参加

「2024年に石川県で125回行った復興支援活動は、ほぼ日本代表OB・OG会を中心にメンバーを選考し、現在はそれに加えて日本財団の協力を得て、オリンピックの金メダリストにも入っていただくような形になっています。今、日本代表OB・OG会は700人くらいの規模です。そのメンバーがスケジュールを調整しながら手を挙げてくれるお陰でスポンサーにもついていただいています」

ーー永島さんは「日本代表OB・OG会」の会長でもあります。日本代表が支援活動に参加すればスポンサーがつきやすいですから、被災者の方たちにとってもありがたいことですよね。

「復興支援活動はやはり費用も掛かりますし、パートナー企業等のサポートがあるからこそ活動ができます。食事代くらいしか出せない中で手を挙げて参加してくれる日本代表OB・OG会のメンバーや現役選手には本当に感謝しています」

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ーーJFAの防災・復興支援活動は、日本全国に都道府県協会というネットワークが張り巡らされ、登録選手数も多いサッカー界だからこそ可能なボリュームだと感じます。自然災害の多い日本において、もはやJFAのこの活動そのものが欠かせない“社会インフラ”になっていきそうです。

「JFAの防災・復興支援活動を通じて得られる一つの気づきとして、サッカー界の肩書や立場を使うことによる社会貢献の大切さです。JFAは、サッカーという競技だけでなく社会のために頑張ってくれないか、という機会を与えてくれる組織でもありますから、僕は全力でタスクに向き合うことを心掛けています」

「サッカーは一人ではできません」

ーー仲間と力を合わせてゴールを目指すというサッカーの競技特性も、活発な予防・復興支援活動を下支えするベースの部分にあるのではないでしょうか。

「サッカーは一人ではできません。それに、90分という競技の中で一人がボールに触れる時間は3分ほどなんです。ボールのないところでの87分間を、組織のため、チームのため、グループのためにどう働くか。注目されないところで何をできるか。そういったことが、人として必要なことだと思います」

ーーJFAの活動はこれからも続いて行くと思います。その中で今後どのようなところへ向かっていきたいかお話しいただけますか。

「ありきたりかもしれませんが、やはり平和な世の中になってほしいですよね。二度と戦争がないように、世界の戦争を止められるように。そのためには日本人が本来持っている良い考えを、サッカー界の人間がいろいろな子どもや人々と交わる中でしっかり表現していく。そうすれば日本を支えるたくましい人材に育つのではないかと個人的には思っています」

「HEROs AWARD 2025」によって映し出されたJFAの防災・復興支援活動に対する思いや、目に見えないところで地道に積み重ねられている準備。そして、防災・復興支援活動を社会インフラの一形態と位置づける新たな概念。スポーツはますます社会を変える力となっていくに違いない。

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