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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「今朝までオオタニに疑問の声。だが」「あれにはア然だ」ベッツもマンシーもドジャース球団社長も…大谷翔平の“超絶二刀流”に大興奮した日
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ジャック・ハリスJack Harris
photograph byRonald Martinez/Getty Images
posted2026/03/25 06:01
大谷翔平は2025年ポストシーズン、ブルワーズとの第4戦で伝説的な二刀流ぶりを見せた
「今朝まで大谷には、疑問を抱く声が上がっていた」
アンドリュー・フリードマン編成本部長は試合後、クラブハウスで祝福のアルコールを浴びながら語った。
「けれども12時間後には、ナ・リーグ優勝決定シリーズのMVPとして表彰台に立っていた」
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二刀流の天才が日本からやって来たとき以来、野球界が夢見ていた試合だった。先代の投打二刀流スーパースターから1世紀近く経つ野球において、神話に近い大谷にずっとついてきた「予言」が現実になったのだ。
フリードマンはこうも言った。
「これがどれほど特別なのか、どれだけ唯一無二なのか、本当に理解が追いつかないよ」
ショウヘイを抑えこめる期間なんて、限られている
大谷自身はどう見ているのだろう?
「今日は自分が仕事をする番だっただけ」
大谷は通訳のウィル・アイアトンを介してそう語った。
「ポストシーズン全体を振り返ってみると、期待に応えられたとは言い難いので」
もちろん、大谷にとって、期待をかけられるのは今に始まったことではない。
時速100マイル(約161キロ)の速球と、堂々たるスイングを携えて初めてアメリカへやって来たとき、ベーブ・ルースとの比較はすでにされていた。
メジャーリーグへの移籍当初は、成長につきものの痛みと、1度目のトミー・ジョン手術に苦しんだ。だがここ5年ほどは押しも押されもせぬ球界の顔として花開いている。
3度のMVP、オールスター出場、偉大なベーブ・ルースでさえ届かなかった、到達不可能に見える数々の記録。これらがずらりと並ぶ大谷の経歴で欠けていたのは、「10月に二刀流でプレーすること」だった。マウンドを制し、打席に立てばワクワクさせ、ポストシーズンの状況を1人で決めるような試合。
それがまさに17日の試合だった。キャリア最大級の打撃スランプの最中にそれはやって来た。ドジャースの誰にも驚きはなかった。
フリードマンはこのスランプに何か特別なものを感じ取り、「ショウヘイを抑えこめる期間なんて、限られているんだ」と思っていたという。
チームメイトも抜け出すのを待っていた。第3戦後、マンシーは「ありえないようなことを期待している」と期待を込めて口にしていた。
ベッツが語った「彼だけに向けられる期待」
その時点で、チームの周囲はすでに大谷のあの打撃練習を目にしていた。
そして、大谷自身の中に渦巻く不満を感じていた。

