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「防御率4.97でもメジャー昇格」3年目・松井裕樹の“リアルな現地評”…42歳のパドレス新指揮官が託した思い「俺はボールを渡す準備はできている」
posted2026/05/23 11:04
メジャー3年目、松井裕樹の現在地とは
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph by
Getty Images
◆◆◆
メジャー昇格前のマイナーでの成績だけをみれば、ファンは不安になったかもしれない。松井裕樹は、3Aエルパソで11試合、12回2/3を投げ、防御率4.97。メジャー復帰を待つ投手としては、物足りない数字だった。
しかしこの数字には特殊な事情がある。
「防御率4.97」の裏側
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パドレスの3Aエルパソが所属するパシフィック・コースト・リーグ(PCL)は、投手にとって極端な「打高投低」を招く環境だ。エルパソは標高約1100m。アルバカーキやソルトレークは約1500m、リノやラスベガスも約900mという高地にある。空気が薄く、乾燥しやすい地域が多い。打球は空気抵抗が少ない分伸び、飛びやすい。変化球や直球の動きにも影響が出る。松井のように、速さだけでなく直球のホップ成分で勝負する投手には、不利に働く。
「きょうは調子がいいな、という感覚でも16インチ(約41cm)しか出なかった。92マイル、93マイル程度(約148~150km)だから、(打者はタイミングが)遅れないし、ボールの上にバットが入らないです」
松井の直球は、縦方向のホップ成分が大きい。投球データを計測するトラックマンの表示で垂直方向の変化量(Vertical Break=重力がなかった場合の変化量)は19インチ(約48cm)以上を目安にしている。
「18インチ(約46cm)だとちょっと少ないと思います。19インチ以上はほしいですね」
「打者に有利すぎる環境」
松井の強みは、打者の予想より落ちずに伸び、打者には浮き上がるように見える直球。球速は92~93マイル前後でメジャーでは速球派ではない。それでも、ボールがバットの上を通る。

