Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER

木原龍一が発言「いろいろあった」その“本当の意味”…「骨に線が写っていた」木原の異変、ランチはゆで野菜…三浦璃来が支えた“2年前の挫折” 

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

PROFILE

photograph byJIJI PRESS

posted2026/02/28 06:01

木原龍一が発言「いろいろあった」その“本当の意味”…「骨に線が写っていた」木原の異変、ランチはゆで野菜…三浦璃来が支えた“2年前の挫折”<Number Web> photograph by JIJI PRESS

木原龍一と三浦璃来。「いろいろあった」発言の真意とは?

「とにかく何をやっても『僕には出来ない』と言っていました。ジャンプは失敗、リフトの感覚も戻りきらない。ネガティブな気持ちが言葉になって出ていました」

 三浦は、すぐに木原の異変を察知した。

「龍一くんの口から『出来ない』という言葉が出るなんて珍しいこと。自信を取り戻してほしくて、とにかく褒めました。リフトが出来たら『良いタイミングだったね』、スロージャンプなら『今の投げ方良かったよ』と」

変えた練習「テーマを相手に伝えよう」

ADVERTISEMENT

 木原の心を、三浦がプラスに変えていく。9歳差の2人の立場が逆転していた。

「普段は僕のほうがしっかりしていると思いこんでいました。でも、僕が崩れやすい時期に三浦さんからサポートされて、良いチームだなと実感しました」

 練習再開から2週間後には、四大陸選手権(2月1~4日、上海)に出場した。一つ一つの技の評価を確認できたことで、世界選手権への目標が明確に。ポジティブな気持ちを取り戻した木原は、こう提案した。

「毎日、自分の練習テーマを決めて相手に伝えよう、と。例えば『僕は今日、リフトのレベル獲得を意識するね』と言い、『じゃあ私は、ジャンプで回転を締め切ることを意識するね』などと話しておくのです」]

 三浦はうなずく。

「お互いが何に気をつけているのか分かると、言い合いが減りました。ミスがあったときに『あなた、ここちゃんと気をつけていた?』と責めるのではなく、『じゃあ次はここに気をつけよう』とプラスの提案ができる。世界選手権までの6週間、効率的な練習をすることができたと思います」

 そして迎えたモントリオールでの世界選手権(3月20~23日)。ショートは2位発進したものの、フリーの6分間練習で、今度は三浦がアクシデントに見舞われた。

〈つづく〉

#2に続く
りくりゅう“2年前の大事件”「顔は真っ青、酸素マスクをつけて…」木原龍一が倒れた日、三浦璃来が気づいた「生きていてくれて、ありがとう」

関連記事

BACK 1 2 3
#りくりゅう
#三浦璃来
#木原龍一
#ミラノ・コルティナ五輪
#オリンピック・パラリンピック

フィギュアスケートの前後の記事

ページトップ