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「必要ですか? 翔平」WBC侍ジャパン前監督・栗山英樹が明かした大谷翔平招集秘話…会談は「2人で3分だけ」“栗山メモ”に記された大谷への感謝
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金沢隆大Ryuta Kanazawa
photograph byNanae Suzuki
posted2026/02/26 11:02
WBCで侍ジャパンを世界一に導いた栗山英樹監督。大谷翔平の招集秘話を明かした
「正式にWBCよろしくお願いします」
自身のインスタグラムで表明する前に報告を受けた。その短い言葉の端々から夏にアメリカで漂わせていた強い思いが伝わってきた。
【正直に思う。「翔平ありがとう‼」】
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そうメモに書いたこの日、栗山と大谷は再び同じ志を持ち、同じユニフォームで戦うことが決まった。
ダルビッシュからのLINE
さらにその数日後、11月後半、待っていた連絡が来た。深夜のことだった。栗山のマネージャーの岸七百樹のもとにダルビッシュからLINEが届いた。すぐさま岸から栗山に連絡が行く。そのときの様子を、あたかも昨日の出来事のように栗山は臨場感をもって説明してくれた。
「岸が『監督! ダルが出るって!』みたいに言ってきて。どわーって、よっしゃーと言った。
でも、どのラウンドから出るかはそこに書いてない。なので、アメリカに行くから会えるように調整してくれってお願いした」
栗山はすぐさま動いた。再び海を渡りダルビッシュと会う段取りをつける。
12月5日、サンディエゴの寿司店で再会した。そこでLINEの中身や意図の確認、意思疎通を対面で行った。
そして、願い通りダルビッシュが日本代表に加わることが事実上決定した。
栗山は「先発して調子悪かったら、俺代えるよ」とダルビッシュに伝えたという。自分の監督としての覚悟をダルビッシュにぶつけたのだ。それを受けたダルビッシュは「監督、何言っているんですか。当然ですよ、
の。好きに使ってください」と返した。
目的を果たすためには遠慮や情は必要ない。まさに三原の言う[勝負の世界には安価な人情論の入り込む余地は全くない]ということ。プロフェッショナル同士の意思確認だった。
<第1回から続く>
『WBC 世界を制した采配の秘密 三原ノートと栗山メモ』(三木謙将・金沢隆大著/文藝春秋刊)*書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

