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オリンピックへの道BACK NUMBER
「カーリングを破壊しかねない」不正投球の反則よりも指摘されるべき“本当の大問題”「なぜ審判が介在しないのか? 」疑問への“明確なある答え”
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2026/02/19 17:02
ダブルタッチ疑惑が浮上したカナダのマーク・ケネディ
プレー中の出来事は、原則、選手の判断に委ねられる。仮にスウィーピング(ブラシで掃く行為)しているときにストーンに触れてしまったら、選手自ら申告する。
エンドの最後、両チームのストーンがハウスにある場合、どちらの得点かは、どうにも判別がつかずメジャーで測定するケースを除き、両チームの選手間で判断する。そこに審判は介在していない。それが可能なのは、選手がフェアにプレーすることが前提となっていて、選手に信頼を置くからだ。
吉田知那美が語っていた“規制への思い”
昨年までカーリング界をにぎわせたブラシの問題でも、選手が主導であることは示されている。開発の進化により、従来にない効果を持つブラシをつくるメーカーが現れた。それはルールに反していないとされた。だが各国の上位で活動するチームが連名で、ブラシの規制を世界カーリング連盟に求める声明を発表。そこにはロコ・ソラーレら日本の複数のチームも含まれる。2025年2月にはミラノ・コルティナ五輪代表選考につながる日本選手権が開催されたが、ロコ・ソラーレは該当するメーカーのブラシを使用しないことを宣言し、臨んでいる。
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その際、吉田知那美はSNSにこう綴っている。
「ロコ・ソラーレとはどんなチームでいたいのか、そしてどんな選手でいたいのかをいつも何よりも大切にしています」
各国チームの懸念は、そのブラシを使える/使えないことで公平性に差が出ること。ルールに反しない限り、道具の性能を追求し、それを使おうとするのは多くの競技で当たり前のことだが、それとは明確に異なる。
ロコ・ソラーレの精神が見えた“ある場面”
「コンシード」もカーリングならではの言葉だ。試合の終盤、点差がついて逆転は困難だと判断したとき、相手の勝ちを認めて握手を求めることを表す。以前の中継では「ギブアップ」と実況されるケースもあったと記憶するが、「勝てません、まいった」というニュアンスの強いギブアップとは意味合いが異なり、コンシードには自分たちを上回った相手への敬意も込められている。

